カタールW杯選手コメントで綴る日本代表激闘録(4)12月5日vsクロアチア決勝トーナメント1回戦、クロアチア相手に互角以…

カタールW杯
選手コメントで綴る日本代表激闘録(4)
12月5日vsクロアチア



決勝トーナメント1回戦、クロアチア相手に互角以上の戦いを見せたが...

 7大会連続でワールドカップに出場している日本がグループリーグを突破し、ベスト16に駒を進めたのは、これが4回目。だが、過去3回の挑戦はいずれも1点差以内の惜敗とはいえ、ベスト8進出を逃してきた。

 4回目の今回、日本の前に立ちはだかるのは、前回大会の準優勝国にして、世界的スター選手のルカ・モドリッチを擁するクロアチアである。

「(クロアチアは)前回大会で準優勝しているし、前回大会を見ていて一番印象に残っている国のひとつ。全選手がハードワークしていたし、見ている人たちが応援したくなる国のひとつだなと思った」(冨安健洋)

「クロアチアの選手はすごくテクニカルだし、個人としてもハードワークしてくる印象がある。特に中盤の3人はチームの核になる。そこでの攻防がカギになる」(田中碧)

 強敵相手ではあるが、すでに今大会でドイツ、スペインを下している日本は、どんな相手にも怯むことはない。

「僕たちの力をしっかり100%出すことができれば、僕たちの目標は達成できると思っている」(冨安)

「日本はベスト16の壁を破ったことがない。自分自身、2回(ベスト16で負けて)悔しい結果になった。日本サッカーの歴史に黄金の1ページを刻む意気込みで臨みたい」(長友佑都)

 迎えたクロアチアとの大一番。日本はスペイン戦と同じ3-4-2-1の布陣でスタートするも、過度に守備的になることなく、自分たちがボールを保持する時間を作りながら試合を進めることができた。

「自分たちもしっかりボールを動かせるゲーム展開ではあった。前半から悪くなかった」(遠藤航)

 そして前半43分、右CKから堂安律がゴール前に送ったクロスを吉田麻也がうまく落とし、最後は前田大然が押し込んで先制。

「すばらしい形で得点できた。攻撃でいい形ができていたし、すばらしい準備のなかこの試合に臨めた手応えはあった」(堂安)

 今大会初めて先制点を奪った日本は、前半をリードしてハーフタイムを迎えた。

「ハーフタイムの時点で1-0では足りないと思っていた」(吉田麻也)

「しっかり守ってゼロ(無失点)で抑えつつ、チャンスがあればもう1点、という感じだった」(伊東純也)

 だが後半に入り、クロアチアがよりシンプルに前線へボールを送ってくるようになると、後半55分、アーリークロスにヘディングで競り負け、同点ゴールを許してしまう。

「スペイン戦と同じような失点になってしまった。甘さが出た」(冨安)

「誰がどう見ているのかが、少し曖昧になったところが正直あった。もったいなかったなと感じている」(谷口彰悟)

「相手も変に崩すよりは、もうシンプルに入れて、そこで何か事故を起こすみたいなイメージをしていたと思うし、そこで勝負するというところでやられてしまった。悔しさが残る」(遠藤)

 1-1のタイスコアになった試合はその後、両チームともに必要以上のリスクは負わず、慎重な戦いを選択した結果、こう着状態に陥った。

「疲れもあったので、あの失点から少しギアを上げきれなかった。自分も何かしようとしていたが、チャンスを作れなかった」(堂安)

「まずはゼロで抑える、というのがあったと思うし、そこからうまくカウンターができたら、という感じだった」(伊東)

「(前線に)スペースは空いていたので、そこを狙うのは第一優先として間違いではないと思うが、もう(浅野)拓磨に頼りきりになってしまった」(谷口)

 試合は90分で決着がつかず、勝負は延長戦に持ち込まれたが、それでもなおスコアが動くことはなかった。

「追加点を狙いにいったが、向こうのパワーに押される時間帯がどんどん増えてきて、何とか最少失点で抑えながら、という戦い方になってしまった。世界のトップ8にいくことを考えると、より点をとりきる力を持っておくことが必要なんだと感じた」(谷口)

「相手のサイドバックがもう足がつりかけていて、疲れていたので、うまくボールを受けられればいけるなと思っていたが、ルーズボールをうまく拾えず、拓磨のところにもうまく収まらないことが続いて、延長戦も終わってしまった」(伊東)

「相手はたぶんPKでもオッケーくらいの感じだったのかなと思うし、自分たちも1-1で失点はしたくなかったので、硬さがあったというか、(もっとボールを)動かせるところでも前半よりシンプルにやるプレーが多くなってしまった」(遠藤)

 結局、ベスト8進出をかけた勝負の行方は、PK戦に委ねられた。

「最初から(PK戦は)想定していた。堅い試合になると思っていたので、最悪そこもあるなと思っていた」(吉田)

 だが、日本は1人目の南野拓実、2人目の三笘薫が相次いで相手GKに止められて失敗。3人目の浅野は決めたものの、4人目の吉田も止められ、万事休した。

「PKに関しては、運ももちろんある。だが、ゴンちゃん(権田修一)が1本は止めてくれると思っていたけど、僕も含めて3本外したらさすがにキツい」(吉田)

「蹴りたい人から蹴るということで、仲間を信じるしかなかった。蹴った選手のことを責められないし、これはチームとしての結果。受け入れなきゃいけない」(遠藤)

「もちろんPKを蹴った選手を責めるつもりはまったくない。勇気がいることなので、そこは讃えたいし、それよりも90分、そして120分で仕留めきれなかったところをフォーカスして、次につなげていくべきだと思う」(谷口)

 日本のベスト8進出をかけた4度目の挑戦は、またしても世界の壁に阻まれた。

「僕個人のパフォーマンスはよくなくて、チームに迷惑をかけた。こういう大事な試合でパフォーマンスを発揮できない自分に苛立ちしかない」(冨安)

「チャンスの時に(勝負に)行ききれなかったところは悔いが残る。流れを変えられなかった。そういう実力だったと感じている」(三笘)

 しかし、グループリーグではドイツ、スペインを下し、望外の1位通過。最後に敗れたクロアチア戦にしても、互角と言っていい内容の試合を繰り広げた。

「2点目をとれなかったのが痛かったが、それでも1点に抑えて、120分よく守りきったと思う。自分たちがゲームを支配する時間も長く持てて、決してドン引きで守りきるようなサッカーをしたわけじゃない。こういう戦いを強豪相手に出していけるのは、今後の明るい材料じゃないかなと思う」(吉田)

 それは、日本の選手たちがレベルアップしていることを、確かに感じさせるものでもあった。

「日本代表の選手たちのクオリティは高くなっていると思うし、所属クラブでいい経験をしていると思うが、ドイツ、スペイン、クロアチアはそういう選手たちが普通にいるわけで。これでようやく世界と対等に戦える土台に乗ったのかなと思う。ここから、さらにヨーロッパでやる選手が増えないといけないし、2チーム分作れるくらいのクオリティを持ったチームがさらに上に行ける。成長はしていると思うが、まだまだベスト8へ行くには足りなかったということだと思う」(遠藤)

 ベスト8進出の夢は次回、アメリカ、メキシコ、カナダの3カ国共催で開かれる4年後のワールドカップに持ち越された。

「いろんな経験をしたなと思う。年齢的にも今回24歳で出られたのはすごく幸せだと思うし、27歳で次がある。その時は(チームの)中心でいなきゃいけない。今回は終わってしまったが、次は"バケモノ"になってここに戻ってきたい」(田中)

 またしても悔し涙を流すことになった4度目のベスト16敗退は、しかし、これまでになかった新たな歴史を刻む、誇るべき結果でもあった。

(おわり)