笑顔の敗退「勝てなかった悔しさが60%、HRを打てた満足が50%」「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI C…

笑顔の敗退「勝てなかった悔しさが60%、HRを打てた満足が50%」

「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP2022」は28日、大会第2日が行われた。横浜スタジアムの第2試合では、横浜DeNAベイスターズジュニアが今大会最多となる1試合3本塁打で攻め立てるも、5-7でオリックス・バファローズジュニアに逆転負け。2戦2敗で敗退した。

“本家”のベイスターズ打線も顔負けの一発攻勢だった。初回に一挙3点を奪われ、相手にリードを許したが、2回の攻撃では1死から6番の瀬戸虎太朗くんが右翼の仮設フェンスを越えるソロを放って反撃開始。続く3回には2死一、三塁の好機で、4番・立花虎之介くんがセンターへ劇的な逆転3ランを打ち込んだ。続く5番・西崎太賀くんにもセンターへのソロが飛び出し、ベンチはお祭り騒ぎとなった。

「デスターシャ!」。ベイスターズジュニアのナインは、本塁打を放った選手がベンチへ戻ってくるたびに、全員で動画配信用のカメラに向かい、佐野恵太外野手、牧秀悟内野手らDeNAの一部主力選手が行っている掛け声&決めポーズをまねた。それが3度も繰り返されたのだ。試合の流れはベイスターズジュニアに傾いたかに見えたのだが、5回に4点を奪われ再逆転を許し、結局白星をつかむことはできなかった。

 やや大味とも言える試合展開の裏には、荒波翔監督の“ノー・バント戦術”があった。タイブレークの末に敗れた前日の東北楽天ゴールデンイーグルスジュニア戦を含め、2試合を通じて犠打ゼロ。指揮官は「正直言って、バントをしたり、進塁打を狙って転がしたりすれば、勝つ確率は上がると思う。もちろん、僕も練習試合でタイブレークの時にバントをやらせたことはあります。しかし、必要以上にはやらせたくない」とキッパリ。

「野球は楽しい」…海外で痛感した意識

 荒波監督は現役時代、外野手としてベイスターズで8年間活躍した後、メキシカンリーグでもプレーした経験がある。「日本では『勝たなければならない』という意識を植え付けられますが、僕はまず『野球は楽しい』という気持ちを大きくしてあげたい。海外の野球では、そこが一番強調されていると感じました」と言う。

「小学生に対して今、体が小さいからといって右打ちをしなさいと指導したら、もしも体が大きくなった時、そういうことが染みついてしまっていて、可能性を減らしてしまう恐れがあるのではないか」と荒波監督。「これから中学生で強いチームに入ったり、高校野球を始めたりすれば、嫌でもそういうことができないと、試合に出られなくなります。それでも今は、横浜スタジアムで豪快にバットを振り、野球の楽しさを味わってほしい。そういう意味では、今日の試合はいい形になりました」とうなずいた。

 小学生のチームにもバント、スクイズなどの小技を多用するところはたくさんあるが、これもこれで1つの考え方ではある。荒波監督は「まだまだ野球人生が続いていく子どもたちにとって、思い返した時にここが原点になってくれたらいい」と語った。

 いったんは逆転となる3ランを放った立花くんは「緊張していましたが、チームメートのみんなが『ホームランを狙っていけ』と言ってくれたので、狙って打てました」と言い切った。試合後には、報道陣を前に「勝てなかった悔しさが60%、ホームランを打てた満足が50%」と表現。おいおい、100%を超えてるよ、とツッコミを入れると、「本当だ! 5分5分でした! すみません」と屈託なく笑った。白星こそ手にすることはできなかったが、ベイスターズジュニアの面々は存分にバットを振り、楽しげな笑顔を浮かべながら球場をあとにした。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)