今年の総決算、第67回有馬記念(GI、芝2500m)は、天皇賞・春、宝塚記念と今年GI2勝のタイトルホルダー、昨年の年度…
今年の総決算、第67回有馬記念(GI、芝2500m)は、天皇賞・春、宝塚記念と今年GI2勝のタイトルホルダー、昨年の年度代表馬で連覇を狙うエフフォーリア、天皇賞・秋を制し父仔グランプリ制覇を狙うイクイノックスと、ファン投票1~3位が勢ぞろい。
加えて、ジャパンCを制したヴェラアズールや、エリザベス女王杯を制し母仔制覇を目指すジェラルディーナなど、今年のGI戦線を彩った強者たちが集結。一年の締めくくりにふさわしい、豪華なメンバーが激突する。
そんな中、ファン投票2位のディフェンディングチャンピオン、エフフォーリアが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■簡単に片付けられない、春2戦の敗因
昨年はGI3勝をマークし頂点に上りつめたエフフォーリアだったが、4歳となった今年は、大阪杯で9着、宝塚記念で6着と、ともに1番人気に支持されながら大きく期待を裏切る惨敗。大阪杯は休み明けで初の関西遠征ということもあり金曜追いを行わず、レースでもハミを取らずに惨敗。鞍上は返し馬から異変を感じ、陣営は体調を敗因とした。
しかし、叩き2戦目の宝塚記念の敗因を「ハイペース」に求めた陣営。前半1000m57秒6というペースに戸惑ったとはいえ、昨年の有馬記念も前半は11秒台のラップを刻むタフなレースながら、最終コーナーで悠々と進出、粘り込むタイトルホルダーをねじ伏せるように押し切った。
その有馬記念も8割ほどのデキと言われながらの完勝だったことを思えば、今春の惨敗は体調面やレース展開で片付けられるものではない。今春から馬具を工夫しているように、問題は精神面にあるようだが、復帰までの道のりは長く約半年ぶりの実戦がグランプリとなった事実は、決して万全ではない証拠となる。
■グランプリでは甘くない、半年ぶりの実戦
近年、調教施設の充実などもあり、レース間隔が開いていても、大舞台であっさり勝つことは珍しくなくなった。しかし、強者が集う有馬記念では、そう簡単に勝たせてくれない。基本的に、有馬記念で好走する馬は、秋にGIを1戦以上は使ってきた馬たち。過去10年でも、前走は国内外を問わず、秋にいずれかのGIをステップにグランプリへ駒を進めている。
一方、半年近くの休養明けで臨んだ馬は、極端に少なく、過去10年ではわずかに1頭、過去30年まで広げてみても【1.0.1.8】と、わずか10例のみだ。かつては1993年のトウカイテイオーのように、1年ぶりの出走で劇的な優勝もあったが、これは極まれな部類。近年では、11年のルーラーシップが、宝塚記念以来の出走で4着に好走したくらいで、基本的には着外に沈むことがほとんどだ。
ファン投票2位に支持されるくらい、期待の大きいエフフォーリア。GI連敗中とはいえ、まだ4歳で見限るのは早計ではあるのだが、順調に使われてきた馬たちとの比較では厳しい戦いになるのは必至。配当妙味も考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。
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文●SPREAD編集部