先日行われたカタールW杯ではメッシの初優勝や、日本代表がドイツ・スペインを撃破するなど多くの話題に溢れ、日本でもサッカー…

先日行われたカタールW杯ではメッシの初優勝や、日本代表がドイツ・スペインを撃破するなど多くの話題に溢れ、日本でもサッカー熱が高まった。しかしその中でも気になったのがW杯でもロングスローが使われていたシーンがあったことだ。アメリカ代表や日本とも対戦したクロアチア代表も戦術として採用していた。そこで今回はロングスローを最も目にするであろう全国高校サッカー選手権開幕へ向け、ロングスローの利点について分析する。

①コントロールしやすい

球技というのは投げる方が蹴るよりもコントロールが簡単だ。つまり、間接フリーキックやコーナーキックよりもスローインの方が、より狙った地点へボールを供給することができる。またフリーキックと違い相手DFの壁がなく自由に投げられるため、障害が少ない。

以下動画内の芦屋学園が決めた2点目(1:25〜)は正確なコントロールでニアサイドの味方に合わせ、ゴールが生まれたシーンと言える。

②対空時間が長くクリアが難しい

ロングスローは30〜40メートルの距離を両手で投げるため、腕の力だと足で蹴ったボールよりもスピードが出ない。つまりDFからするとボールに勢いがないため、クリアで遠くに弾くことが難しいという点がある。さらにスピードがないことにより、DFからすると落下地点を予測することが難しく、クリアミスを誘発することが可能である。

以下動画内の盛岡商業の2点目(1:50〜)はまさにクリアの難しさを利用して生まれたゴールだ!

③ゴール前での混戦を作り出し、二次攻撃につなげやすい

②で挙げたように「ロングスローはクリアが難しい」。ゴール前にルーズボールが転々とする状況を生み出し、攻撃側は押し込むだけで得点することができる。また他のセットプレーに比べ、クリアが小さくなれば、ゴール付近でボールを回収しやすくなり、波状攻撃を仕掛けることができる。

以下動画内、ゴール前の二次攻撃から広島国際学院の先制点(1:10〜)が生まれた。

④相手DFが帰陣せざるを得ない

ロングスローは普通のスローインとルールが変わらないことを忘れてはならない。つまり、ロングスローにはオフサイドがないのだ。このルールによって相手DFはラインを上げられず、自ずとゴール前での混戦状態を作ることができる。また、守備側の選手がほとんど帰陣する状態になるため、前線に残る枚数を削ることができ、カウンターを仕掛けづらくなる。

⑤格上相手に勝つための有効な手段となる

格上のチームと対戦する時は中々ボールを保持できない。その際もロングスローが有効になる。例えば前線へのフィードを多用すれば、相手DFがスローインに逃れるシーンも生み出せる。そこで相手陣内でのスローインを獲得することさえできれば、ロングスローでチャンスを作ることが可能だ。

今年の選手権も「ロングスロー」がカギを握る

近年、高校サッカーで目にするようになったロングスローには、これら5つのメリットがあることがわかった。格上に対しゴールを奪い、ジャイアントキリングを起こすための重要な戦術になっている一方で、青森山田のように個の能力が高く、様々な得点パターンを持っているチームまでも、武器の1つとして用いている点も興味深い。それだけに一発勝負である選手権という大会では、より有効な手段になるはずだ。その奥深さを理解することで、2022年最後のサッカーイベントである全国高校サッカー選手権を楽しむことができるのではないだろうか。