男子プロテニス協会のATP公式サイトは17日、19歳で世界ランク11位のH・ルーネ(デンマーク)のインタビューを掲載。1年でトップ100圏外から自己最高の10位にまで浮上した躍進理由や、夏にあった不振、コーチであるパトリック・ムラトグルー…

男子プロテニス協会のATP公式サイトは17日、19歳で世界ランク11位のH・ルーネ(デンマーク)のインタビューを掲載。1年でトップ100圏外から自己最高の10位にまで浮上した躍進理由や、夏にあった不振、コーチであるパトリック・ムラトグルー氏のコメントなども交え成長の要因などが語られた。
今季だけでツアー3勝をあげたルーネ。今年の始めは103位だった世界ランクは11月にトップ10を記録するなど大躍進を遂げた。今シーズン、序盤は「ATP250」の予選や本戦1回戦で敗れるなど苦しい時間を過ごし、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)では1回戦でクォン・スンウ(韓国)にフルセットで敗れ敗退。2月まではツアー6大会に出場したものの、わずか1勝をあげるにとどまっていた。
しかし、3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)では予選を勝ち抜き本戦入りを果たすと、1回戦でU・アンベール(フランス)を撃破。2回戦でM・ベレッティーニ(イタリア)に屈したが、ここから徐々にツアーでの白星を重ねていく。
4月にはチャレンジャー大会で優勝すると、同月のロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)で再び予選を突破し本戦入り。A・カラツェフを破り初戦突破を果たした。その後のBMWオープン(ドイツ/ミュンヘン、レッドクレー、ATP250)ではA・ズベレフ(ドイツ)E・ルースブオリ(フィンランド)O・オッテ(ドイツ)らを下し決勝に駒を進めると、最後はB・ファン・デ・ザンスフルプ(オランダ)と対戦。ザンスフルプの途中棄権によりツアー初制覇となった。
勢いのついたルーネはリヨン・オープン(フランス/リヨン、レッドクレー、ATP250)で4強入りし、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で四大大会初のベスト8に進出。世界ランクも20位台に入るが、ここからツアー6連続で初戦敗退を喫するなど思うように勝ち星をあげられなくなる。
この時期の苦しみについてルーネは「確かにタフだったよ。2試合連続で負けると、また頑張らなければならないし、達成したい目標について考えなければならない。でも、それはある意味、普通のことだと思ったんだ。これはスポーツなんだから、受け入れなければならない。誰にでも勝てるし誰にでも負ける。それを受け入れて、信じ続けることが大事なんだ」と語った。
「本当にいい気分じゃなかったよ。僕はなんとなく『まだやる気があるから、練習に戻らなきゃ』って自分に言い聞かせていたんだ。テニスが大好きだから、練習に戻るとすぐに超やる気が出てきて、アメリカシーズンに興奮し、そこでまた少し調子が戻ってきたんだ」
「信念を持ち続けることが、1番大事。それが、僕を支えてきたものでもある。基本的に何があってもやる気がある人間だから、そのマインドも僕を助けてくれたね」
実際、ルーネは全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で3回戦進出を決めたことから再び復調。ソフィア・オープン(ブルガリア/ソフィア、室内ハード、ATP250)で準優勝を果たすと、10月のストックホルム・オープン(スウェーデン/ストックホルム、室内ハード、ATP250)でS・チチパス(ギリシャ)を破り優勝を飾った。
このストックホルム・オープンの前からS・ウィリアムズ(アメリカ)S・ハレプ(ルーマニア)のコーチを務めてきたパトリック・ムラトグルー氏がチームに合流。即結果に繋がり、11月にはS・ワウリンカ(スイス)H・フルカチュ(ポーランド)A・ルブレフF・オジェ アリアシム(カナダ)N・ジョコビッチ(セルビア)らを破る快進撃でロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)を制覇。一躍トップ選手の仲間入りとなった。
そして10月からチームに帯同したムラトグルー氏はルーネの成長に関して「彼が立ち直ることができるのは、彼の性格を表しているだろう。それは、何を勝ち取ったかではなく、トラブルに見舞われたときにどのように立ち直ったかということなんだ。だから彼の性格、強さ、欲望、そして立ち直り方を知る良い指標になると思うよ」とコメント。
「チャンピオンというのは、試合中やシーズン中にピンチに陥ったときそれを跳ね返すことができるもの。彼らは困難な状況を逆手に取って、解決策を見出すために必要な力を自分の中に見出すことができるんだ」
ルーネはロレックス・パリ・マスターズで優勝を飾る前から『世界1位になること』を目標と話し公言してきた。自身は現在その目標と現在地、そして足りないものを語っている。
「それに必要なのは間違いなく、もっともっと向上し続けることだね。サーブ、リターン、可能な限りすべてを向上させ続けること。そしてメンタル面でも同じことが言える。重要な場面で冷静さを保ち、勇気を持つことだ。小さなことの積み重ねが大切なんだ」
「トップ10に入ったことで、僕のプレーをより多くの人に知ってもらえるようになったから、もっともっと向上していかなければならない。今後も、楽しくていい経験になると思うよ」
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