激闘来たる! カタールW杯特集サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question ヴァランにボールが渡ったあと…

激闘来たる! カタールW杯特集

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question 
ヴァランにボールが渡ったあと、フランスはどのように崩したか?

 カタールW杯準決勝、フランス対モロッコが行なわれ、フランスが2-0で勝利。大会連覇を狙う前回王者のフランスが、ついに決勝までたどり着いた。

 前半立ち上がりはモロッコがこれまでの4バックを崩して5バックで入ると、フランスは前半5分に最初の決定機をテオ・エルナンデスが詰めて早々と先制する。

 試合巧者の王者にうまくペースを作られたモロッコだったが、21分にケガを抱えるキャプテンのロマン・サイスを下げて4バックに戻すと、ようやくこれまでの勢いを取り戻す。そして、強みの右サイドを起点にチャンスを作るが、フランスの固い守備に跳ね返される。

 逆にフランスは後半34分、カウンターから直前の交代で入ったランダル・コロ・ムアニが、こぼれ球を詰めてリードを広げ、そのまま逃げきって2-0の快勝となった。

 今回は、フランスの先制のシーンを取り上げる。

 前半5分、ユスフ・フォファナが中央のラファエル・ヴァランへサイドを変えるパスを展開。それに合わせ、右ウイングのウスマン・デンベレがタッチライン際に開いていく。



ヴァランがボールを持ったあと、フランスはどのように相手を崩したか

 次の場面で、フランスはどのようにモロッコを崩したか、というのがQuestionである。

Answer 
グリーズマンが中間ポジションに入り、ヴァランの縦パスを呼び込んで裏へ抜け出した

 最初のポイントは、フォファナからヴァランへサイドチェンジのパスが展開された時に、逆サイドのデンベレがオートマチックにタッチライン際へ開き、ヴァランからのパスコースを作ってモロッコの左サイドバック、ヌサイル・マズラウィを釣り出したところである。



ヴァランは前方へ縦パス。グリーズマンが裏に抜けて受けて、ゴール前のチャンスにつなげた

 これによって、左センターバックのジャワド・エル・ヤミクとの間にスペースができていた。そこを狙ったのが、アントワーヌ・グリーズマンだ。

 グリーズマンはひとつ前のプレーで、右サイドからダイアゴナルに裏へ抜け出す動きを狙い、ヴァランにパスが入る時はエル・ヤミクの背中側にいた。そこからデンベレがスペースを空ける動きをした瞬間にエル・ヤミクの前に入り、中間ポジションを取りに行った。

 これがエル・ヤミクに対する駆け引きになっている。相手が慌てて前に出てくれば、空いた裏のスペースに走り、相手が遅れれば中間ポジションでパスを受けて、起点を作ることができる。

 この場面では前者となった。エル・ヤミクは慌てて前に出てきたが、グリーズマンはそれをいなすようにバックステップ。この時、ヴァランはグリーズマンの足元ではなく、少しずらしてスルーパスのようなボールを選択した。これも見事だった。

 エル・ヤミクはずらされたボールに触れず、グリーズマンは入れ替わるように裏へ抜け出すことに成功。そのあとはキリアン・エムバペのシュートのこぼれ球をテオ・エルナンデスが技ありのボレーで詰めて、先制点を挙げた。

 今大会のグリーズマンは得点こそないものの、攻守に渡る貢献度は極めて高い。巧みなポジショニングと抜群のパスセンスで攻撃の起点を担う背番号7が、決勝でどのようなパフォーマンスを見せるか注目である。