(C)CoCoKARAnext「隣の芝生は青く見える」という格言がある。他人が持っているものが、自分の持っているものより…

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「隣の芝生は青く見える」という格言がある。他人が持っているものが、自分の持っているものよりよく思えてしまう。
楽天と4年契約を結び、2年目を終えた島内宏明外野手(32)が突然「他球団でプレーしたい」と言いだしたのは、まさにその心境かもしれない。
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最多安打のタイトルを獲得した楽天の4番打者は、現状維持の1億2000万円でサイン。契約更改の席では不満げな表情で、球団に来年オフのFA行使を直訴したことを明かした。
「球団にはできるなら来年オフFAさせてほしいと言いました」「(FAさせてもらえるなら)大幅に減俸してもいいと伝えた」「違うユニホームを着てプレーしたい気持ちも少なからず出てきた。覚悟はあった」「さすがにOKはもらえなかったので、またシーズンが終わってからゆっくり話したい」
複数年契約中にFAしたいー。異例の発言に大きな影響を与えたのが今オフ、日本ハムからFA宣言した近藤健介外野手(29)の存在だ。ソフトバンク移籍を決めた条件が「7年総額50億円」などと報じられ、島内は「あの金額には負けちゃいますね。気持ちが持たない」「そんなに年俸も上がらない。毎年何のために頑張っているんだろうと思って」と心境に変化をもたらすきっかけになった。
近藤は同じ左打ちの中距離タイプで、成績も近い部分はある。
◆通算成績の比較◆
島内 1070安打 97本塁打 503打点 打率.278
近藤 1016安打 52本塁打 446打点 打率.307
自分と似たようなタイプがFA宣言して破格の契約を勝ち取ったことへの嫉妬心。かたやチーム残留を選んだ自分は、活躍が年俸に反映されない現実。もしFAを決断していたら…という後悔。たまったフラストレーションが、今回の爆弾発言につながったのかもしれない。
一方で島内のこの主張は契約社会では通用しない。実際に20年に取得したFA権を行使せず、その年オフに4年契約を結んだ島内は「自分をこんなに評価してくれるチームは他にない」と感謝にあふれていた。ただ複数年契約にはデメリットもある。想定以上に活躍できたからといって『手の平がえし』というのは、虫がよすぎる。契約期間内にFAがしたいといわれて、球団も応じるはずがない。
ただ、島内は「変わり者」「不思議ちゃん」キャラで知られている。ユニークなコメントが「島内語録」としてメディアで特集されるように、どこまで本気か冗談か分からない発言を連発してきた。つかみどころがない性格で、今回も独特すぎる「島内ワールド」全開だった。
選手として、よりよい条件を求めるのは自然な流れ。だが今回は契約を決めた島内の自業自得であり、近藤と比較するのも筋違いだが、球団内での立場が危うくなる「覚悟」も決めての主張となった。楽天と残る契約はあと2年。行く末は想像もできない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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