2016年には10勝をマークするなど2020年までオリックスでプレーした東明大貴氏 2016年に10勝をマークするなど、…

2016年には10勝をマークするなど2020年までオリックスでプレーした東明大貴氏

 2016年に10勝をマークするなど、2020年までオリックスでプレーした東明大貴氏は現在、関東に戻り不動産業界の「城北不動産」に就職。第二の人生を歩んでいる。引退直後にあった“空白の1年”は「家族と過ごした、すごく良い時間になった」と、振り返る。

 東明氏は2013年のドラフト2位でオリックスに入団。1年目から先発、中継ぎでフル回転すると、プロ2年目の2016年には10勝8敗、防御率3.35の成績をマークし先発陣の一角として活躍した。右肘の怪我などもあり2020年に戦力外通告を受け、現役を引退した。

「よく言えば育休、悪く言えばニートですね。引退してからの1年間は家族と一緒に、実家のある岐阜に戻って過ごしていました」

 引退直後に妻の第2子妊娠が分かった。就職活動への焦りもあったが、7年間のプロ野球生活を振り返り「これまで家を空ける機会も多かった。働かないといけない焦りもありましたが、それは落ち着いてからにしようと決めました」と、家族との時間を選択した。

 幼稚園の送り迎え、掃除や洗濯などの家事全般。これまで妻が1人でこなしてきた“仕事”を経験することができた。初めて家族と過ごした1年間を「すごく良い時間になった。また、働かないといけないプレッシャーもありましたが、プロ野球を辞めて気持ち的にも落ち着くことができました」と振り返る。

古巣・オリックスの日本シリーズを観戦「本当に凄い」「純粋に試合を楽しんだ」

 昨年夏頃には、現在の会社から内定を受けたが「年明けからお願いします」と、今年1月からに先延ばしてもらった。“育休”期間を終えると、未知の世界だった不動産業界でセカンドキャリアをスタートさせた。プロ入り前は「富士重工業」に務めており社会人の経験はあったが、9年ぶりのサラリーマン生活は苦難の連続だった。

「分からないことが、分からないといった感じで……。名刺を渡す時も『どっちむけて出すんだっけ?』って(笑)。覚えることは多いですが、しっかりと仕事をこなせるように日々、努力していくしかないです」

 今年、古巣のオリックスはリーグ連覇、26年ぶりの日本一を達成した。仕事仲間と共に神宮で行われたヤクルトとの日本シリーズを観戦し「本当に凄いなと。経験のない若い子たちも投げていたりして。『比嘉さん、平野さんが投げないかな?』、『今日は若月がキャッチャーじゃないんだ』と純粋に試合を楽しんでいました」と、仲間たちの活躍を心から喜んだ。

 現役への未練はないが、将来的には「野球をやっていたことを生かせることもやってみたい」と考えている。ユニホームからスーツに着替えて歩む第二の人生。“ルーキーイヤー”を終えた東明氏は「今の仕事を1人で任せてもらえるように。中途半端になるのが一番、嫌なので。しっかりと会社に貢献したい」と、現役時代と変わらない笑顔を見せていた。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)