現役ドラフトで巨人入りのオコエは、2015年のドラフト1位 12月9日に行われた初の現役ドラフトで移籍が決まった選手で、…

現役ドラフトで巨人入りのオコエは、2015年のドラフト1位

 12月9日に行われた初の現役ドラフトで移籍が決まった選手で、最も注目を集めているのが楽天から巨人入りするオコエ瑠偉外野手だろう。2015年のドラフト1位で入団。高い身体能力を認められながら、プロの世界で結果を残すことはできなかった。ここでは近年、他球団へ移籍した“元ドラ1”のその後を見てみたい。

 2006年の高校生ドラフトでは、田中将大投手が一番人気。4球団が入札し楽天が引き当てた。同じく人気を集めたのが増渕竜義投手だ。ヤクルトが西武と抽選の末に獲得。少し低い位置で腕を振っての剛球には力があり、2010年には57試合に登板して20ホールドを挙げた。ただ2013年に5試合登板に終わると、翌年の開幕直後に日本ハムへ。ここでは2年間で1度も1軍マウンドに上がることなく、現役引退した。

 2010年のドラフトでは、早大の大石達也投手と斎藤佑樹投手が人気となった。斎藤をくじで外したソフトバンクが外れ1位で獲得したのが、山下斐紹捕手だ。2017年までの7年間で1軍37試合の出場にとどまると、楽天にトレード。ここでは2018年に43試合、2019年も31試合に出場した。ただ2020年オフに戦力外となり中日へ。2022年に再び戦力外とされ、現役を退いた。

 2011年のドラフト1位からは、ロッテが3球団競合から引き当てた藤岡貴裕投手がのち日本ハム、巨人へと移籍した。ロッテでは6年間で160試合に登板、前半は先発、後半はリリーフとして通算20勝を挙げた。ただ2018年の途中に岡大海外野手との交換で移った日本ハムでは同年4試合、翌年2試合の登板にとどまり、2019年シーズン中に今度は巨人へ。ここでも白星を挙げることなく2020年限りで引退した。

日本ハムへ移籍の大田泰示、杉浦稔大が成功例

 もちろん、成功例もある。2008年に巨人が1位指名した大田泰示外野手は、2016年までの8年間でシーズン最高は4本塁打。打撃に確実性が乏しく、定位置を得るには至らなかった。2016年オフ、日本ハムへの移籍で運命は一変する。

 2017年には118試合で打率.258、15本塁打。外野の定位置をつかむと4年連続で2桁本塁打を記録した。高い身体能力を生かした外野守備にも定評があり、2020年にはゴールデングラブ賞を獲得。巨人では持て余していた潜在能力を存分に発揮した。2021年オフには日本ハムからも放出されたものの、今季はDeNAで62試合に出場し打率.278を残した。

 もう1人、日本ハムへの移籍で活路を開いたドラ1が杉浦稔大投手だ。2013年のドラフト会議で指名されヤクルト入りしたものの、2016年に17試合で3勝2敗を残したのが目立つ程度。2017年は5試合登板に終わり、右肩痛に苦しんでいた2018年のシーズン途中に日本ハムへのトレードを通告された。

 2020年に主に先発で7勝5敗。2021年にはリリーフに転向し、56試合で3勝3敗28セーブの成績を残した。新庄剛志監督が就任した今季は再び先発もこなしながら3勝6敗の成績を残した。

 今回、現役ドラフトで移籍する12選手のうち、ドラフト1位の看板を持っているのはオコエだけだ。8年目の移籍は、どのような結果を生むだろうか。(Full-Count編集部)