楽天・オコエが巨人に1巡目指名されるなど12球団の計12人が移籍 NPBの初となる「現役ドラフト」が9日に行われ、楽天の…
楽天・オコエが巨人に1巡目指名されるなど12球団の計12人が移籍
NPBの初となる「現役ドラフト」が9日に行われ、楽天のオコエ瑠偉外野手が巨人に1巡目指名されるなど12球団の計12人が移籍することになった。くすぶっていた選手たちは移籍で花を咲かせることができるのか? ヤクルト、日本ハム、阪神、DeNAでプレーした野球解説者の野口寿浩氏は「大チャンスを得た」と、2人の投手に注目した。
今回行われた「現役ドラフト」は、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化するために設けられた制度で、選手会とNPBが話し合いを重ね、導入が決定。全球団が2名以上の対象選手を出しリスト化し、全球団が最低1人は獲得するルールのもとで行われた。
プロでの実績がないアマチュア選手ではなく、今回の“ドラフト”対象はNPBである程度の年数を経験した選手たちだ。野口氏は巨人→広島の戸根千明投手、阪神→西武の陽川尚将内野手らにも注目したが「実績を積んでいない中で、大チャンスを得た選手」として、西武から日本ハムに移籍した松岡洸希投手と、ロッテからヤクルトへ移籍した成田翔投手の名前を挙げた。
プロ3年目で、右横手から150キロに迫る直球を投げる松岡は1軍で通算7試合、7年目の左腕・成田は期待されながらも通算15試合の登板に終わっている。共に今季は1軍出場がなく、出場機会に“飢えていた”選手ともいえる。
望まれての移籍は前向きに…「何かを変えるいいチャンス」
日本ハムは今季、支配下の投手では怪我で離脱したジョン・ガント以外の全選手が1軍を経験。松岡は右の変則枠としても需要はありそうで「日本ハムとしても投手は何枚でも欲しい状況。そこに変則タイプの右投手は必ず需要がある」と見ている。
成田に関しても、ヤクルトのリリーフ陣をみれば左は手薄な状況。昨季からサイドスローにも挑戦しており、1軍の主力だった田口麗斗投手、久保拓眞投手らとは違ったタイプの投手だ。「ヤクルトとしても、もう一枚左が加われば面白くなる。他の移籍した選手もそうですが、松岡と成田はこれまで以上にチャンスは増えると思います」と指摘する。
現役時代は4チームでプレーした野口氏は、他球団に望まれての移籍は「プラスに捉えるべき」と考えている。「もう一度、気持ちをリセットするいい機会になる。自分自身を見つめ直し、大胆なモデルチェンジも一つの手。何かを変えるいいチャンス」と、環境が変わる以外にもプラス要素はあると見ている。
今回のドラフトは移籍により出場機会を増やすことが最大の目的だ。野口氏は「全選手に言えますが、やはり最後は本人次第。チャンスが増える可能性は高いですが、それをものにする、しないは本人です。現役ドラフトが来年以降、どのように進んでいくか」と、初の試みで移籍した12人の選手たちに注目している。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)