今夏全国制覇した東京・上一色中で指導 トレーニングコーチの塩多雅也氏 打力が自慢のチームで投手力を底上げし、日本一に大き…

今夏全国制覇した東京・上一色中で指導 トレーニングコーチの塩多雅也氏

 打力が自慢のチームで投手力を底上げし、日本一に大きく貢献した。トレーニングコーチの塩多雅矢さんは、今夏の全国大会で初優勝した東京・上一色中の投手コーチを務めている。体の使い方を身に付け、力を無駄なく投球につなげる投手向けトレーニングを取り入れている。

 上一色中は今夏、「中学生の甲子園」と呼ばれる全日本少年軟式野球大会で初めて頂点に立った。チームを率いる西尾弘幸監督が勝因の1つに挙げたのは、投手コーチの存在だった。

 上一色中は打力を武器に、近年は毎年のように全国大会に出場している。さらにチーム力を上げようと、3年ほど前に投手陣の指導を依頼したのが塩多さんだった。

 トレーニングコーチの塩多さんは、体の大きさにかかわらず、力をロスせずに投球する体の使い方を指導している。理想的な投球フォームを身に付けるため、様々なトレーニングを組み合わせているが、その中には投手向けの腹筋がある。

 両膝を立てた腹筋の格好から、右投手であれば左手を真っ直ぐ下げる。そして、右手を左手にかぶせるようにしながら体を起こす。右腕が顎の下に入る形で腹筋する。この時に頭は軽く浮かせて、腹筋の動きにつられて横に流れないようにする。

プロも大切にする丹田で投げる感覚 「ゆりかごトレ」で習得

 この腹筋は投球で踏み込んだ足が地面について、体をひねる際の動きに生きる。塩多さんは「右投手の場合、体をひねった時に左脇腹を閉めず右肩を前に出すと腕が遠回りして、いわゆる手投げになってしまいます。右胸を引っ張り出す動きを身に付けることが大切です」と狙いを説明する。

 もう1つは、体の中心に力を溜めるトレーニング。腹筋の姿勢から、両肘と両膝がくっつくらい体を小さく丸める。そこから、ゆりかごのように体を左右に転がす。体の中心に力を集めることを意識して、力を溜める感覚を身に付ける。

 このトレーニングは打撃や盗塁にも生きるが、投手では軸足から踏み込む足へ体重移動する動きで重要になる。塩多さんは「軸足一本で立った時にお腹の当たりにパワーを溜め込んで、パワーが逃げないように体重移動する体の使い方ができると球に力が伝わります」と話す。プロ野球選手の中には、へその下部分の「丹田」で球を投げる感覚と表現する人もいる。

 速い球、強い球を投げるには、体の中心で溜めた力を無駄なく指先まで伝える動きが重要になる。その動きを自然に覚えるトレーニングを、塩多さんは練習メニューに組み込んでいる。上一色中が初の全国制覇を果たした裏には、投手向けトレーニングがあった。(First-Pitch編集部)