日本ハムは10日、本拠地で巨人に3-2で逆転勝利。6年ぶりに4番から外れて「3番・一塁」で先発出場した中田翔内野手が、8回に劇的な逆転打を放ち、チームの連敗を6で止めた。■中田が終盤に逆転2点二塁打、栗山監督「感動した」 日本ハムは10日、…

日本ハムは10日、本拠地で巨人に3-2で逆転勝利。6年ぶりに4番から外れて「3番・一塁」で先発出場した中田翔内野手が、8回に劇的な逆転打を放ち、チームの連敗を6で止めた。

■中田が終盤に逆転2点二塁打、栗山監督「感動した」

 日本ハムは10日、本拠地で巨人に3-2で逆転勝利。6年ぶりに4番から外れて「3番・一塁」で先発出場した中田翔内野手が、8回に劇的な逆転打を放ち、チームの連敗を6で止めた。

 やっぱりチャンスはこの男に回ってくる。1点を追う8回1死一、三塁で打席に向かう中田の目に入ったのは、スクリーンに映し出されたファンのメッセージだった。

「『3番でも4番でもすることは一緒』という文字を見て、その気持で打席に立ちました」。マシソンに追い込まれながらカウント2-2からの151キロを強く振り抜いた。

「だいぶ(バットの)先だったけど、犠牲フライにはなるなと思いました」と振り返る打球は左中間を深々と破った。値千金の2点適時二塁打。超満員のスタンドからの大歓声に二塁ベース上で吠え、右手を突き上げた。

■栗山監督が語る打順変更の意図、「何か伝えてあげたかった」

 お立ち台では「ファンの皆さんに打たせてもらった一打だと思います。ありがとうございました」と感謝。「みんながこんなに頼りないバッターに回してくれたので意地でも打ちたいと思いました」と心境を打ち明けた。

 栗山英樹監督が就任した12年以降、先発起用で4番から外れるのは初めて。前日まで46試合に出場して打率.228、28打点、5本塁打。この6連敗中も25打数3安打1打点と苦しんでいた。

 打順変更は、指揮官の親心だった。栗山監督は「打順で気持ちが違うし、いろんなことを考える。みんながいかに自分のところに回そうとしているのかとか。翔のために何か伝えてあげたかった」と狙いを説明。試合を決める一打に「感動した。こういう試合をやっていくと何かが変わるはず」と目をうるませた。

 プロ初の3番で期待に応えた中田にとっても意味ある一打になった。「自分の中で思うところはあるけれど、それは周りに言うことではない。自分の中でしっかり生かしたい」とうなずいた。今後の逆襲には欠かせない主砲のバットが輝きを取り戻した。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa