本塁打&打点の2冠獲得も「体の疲れ」でシーズン終盤に失速 来季中に国内FA権を取得する見込みの西武・山川穂高内野手は2日…

本塁打&打点の2冠獲得も「体の疲れ」でシーズン終盤に失速

 来季中に国内FA権を取得する見込みの西武・山川穂高内野手は2日、埼玉・所沢市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、球団側から提示された4年契約を固辞。1億4000万円増の年俸2億7000万円(金額は推定)で単年契約を結んだ。いろいろな意味で注目される来季へ、日本を代表するホームランバッターはどう臨もうとしているのか。

 今季の山川は、41本塁打90打点で2冠に輝いた。2018、19年にはいずれも40発超で連続本塁打王を獲得したものの、2020年は打率.205、24本塁打。2021年も打率.232、24本塁打で2年連続の不振に陥っていた。見事に復活を果たしたと言える。

 それでも「結局は苦しいシーズンでした」と手放しで喜べないのは、3・4月に月間打率.365、8本塁打のロケットスタートを切り、5月に打率.321、9本塁打で月間MVPを獲得しながら、最後の9・10月には打率.197、4本塁打と大失速したからだ。

 オリックス、ソフトバンクなどと激しく首位を争っていたチームも、主砲に歩調を合わせるかのように、9・10月に8勝13敗(勝率.381)と負けが込み、シーズン3位にとどまった。「僕の成績とチームが比例していた。4番ですので、責任は全部僕にあると思っています」と頭を下げた。

 シーズン終盤の失速の原因は「体の疲れです。それに尽きます」と明白である。「疲れてくると、(軸足の踏ん張りが利かず)ボールに対して突っ込んでしまい、距離が取れなくなる。するとボール球に手を出しやすくなり、ミスショットも増える」と分析済みだ。「3、4、5月の打ち方をより長くできるように、体を鍛えていくことが今年のオフのテーマです」と明かした。

色紙に書いた目標は「74本!!」…戦友・森友哉の流出に寂しさも

 単年契約にとどめた理由については、「10年目の節目ですし、来年に野球人生の全てをかけて臨むつもり。そのためには絶対、単年の方がいい」と説明した。そして会見後、報道陣から色紙を渡され、来季の目標を書くように求められると、「74本!!」とバリー・ボンズが保持するMLBのシーズン最多本塁打記録(73本)を超える数字を書き込んだ。そこまではいかなくとも、日本記録の60本塁打、今年ヤクルト・村上がマークした56本塁打に迫る本数を量産すれば、来季オフには壮絶な“山川争奪戦”が繰り広げられることになるかもしれない。

 一方、このオフに同期入団で大の仲良しだった森友哉捕手がオリックスへFA移籍したことは、山川にとって決して小さな出来事ではない。今後は山川が打席に入る時、森が敵の捕手として至近距離に座るケースもあるわけだが、「最初の1発目(初対戦)で、どういう絡み方をしようか、どうちょっかいを出そうかと考えています。思い切り蹴ってやろうかな」とおどける。

 そうは言っても、森の移籍で心の内を占めているのは、「寂しさですね。チームにとっては(森の流出は)痛手でしかないですし、個人的にはプライベートでも一緒だった人間がいなくなるので、どうしたものか、誰と仲良くしようかと思っているところです」と吐露した。

「来年はキャリアハイの成績を出したい」と強調した山川。プロ10年目にして、野球人生が新たな局面を迎えようとしていることは間違いなさそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)