宇都宮ブレックスは今季、安齋竜三HCが退任し新たに佐々宜央HCがアシスタントコーチから昇格する形で新指揮官に就任。テー…

宇都宮ブレックスは今季、安齋竜三HCが退任し新たに佐々宜央HCがアシスタントコーチから昇格する形で新指揮官に就任。テーブス海とチェイス・フィーラーが抜けた穴には笠井康平とジュリアン・マブンガが加わり、新生ブレックスは船出を迎えた。
しかし、開幕節で昨季ファイナルで対戦した琉球ゴールデンキングスに連敗すると、バイウィーク直前のホーム3連戦はアルバルク東京と千葉ジェッツに敗戦。9試合を終えた時点で3勝6敗とスタートダッシュに失敗し、バイウィーク期間にはマブンガとの契約解除を発表するなど前途多難なスタートとなった。
それが一転、バイウィークが明けるとシーホース三河にアウェイで連勝し、そこから波に乗って京都ハンナリーズとの第7節でホーム初勝利を挙げると、11月30日の群馬クレインサンダーズ戦で連勝を5に伸ばしたのだ。
【写真】宇都宮ブレックスvs.群馬クレインサンダーズの試合写真をチェック
特にこの群馬戦は1Q終了時点で17-31、試合を通して最大17点のリードを奪われる苦しい展開だった。しかし、2Qにはベンチ出場の渡邉裕規やヤン・ジェミンが群馬に凌駕されていたエナジーをチームに持ち込み、残り5分13秒に並里成が3Pを決めるまで、群馬に1本もフィールドゴールを許さず。逆に自分たちは12得点を積み上げて3点差に迫ることに成功している。
結果的に再び群馬に押し戻されることにはなるが、「点差がついてしまったときにナベやヤン、(竹内)広輔や笠井らバックアップの選手たちが巻き返してくれました。そこでやれるんだという自信になったと思います」と佐々HC。
この巻き返しが伏線となり、4Qには再び猛追。合計29得点を稼いだ比江島慎の連続3Pにアイザック・フォトゥのゴール下、鵤誠司のミッドレンジジャンパーで追い付くと、81-84で迎えたオーバータイム残り19.8秒にも再び比江島が3Pをねじ込んで同点。最終的には91-89でダブルオーバータイムに及ぶ大激戦を制したのである。試合を締めたスタメンに流れを変えたベンチメンバー。この勝利はまさしくチームで戦う宇都宮のバスケットが体現された勝利だった。

では、何が復調の兆しとなったのか。佐々HCにその問いを投げかけると、間髪入れずに「練習」という答えが返ってきた。
「11月は充実した練習ができてチームとしてもう1回何をやるのかを明確にできました。それによって今は非常に良い形でシーズンが進んでいると思います。見ている方は選手が試合に出る出ないをまず見ると思うんですけど、僕の中では練習で結果を出すのか出さないのかがすごく大事です。例えばナベなんかはプレータイムが少ない時期もありましたが、今日はすごく良い仕事をしましたよね。実は昨日まで彼はチームとは別の練習にも取り組んでいたり、本当に練習が全てです。僕らの仕事はゲームで皆さんに見せるのはもちろんですが、練習にどう取り組んでいくかというところでもあるので。(好調の理由は)間違いなく練習です」
練習で取り組んでいないことは試合では出ない。逆に練習への取り組み方次第では、練習以上のものが試合で出る可能性もある。群馬戦の粘りや勝負所での集中力、ひとつのポゼッションにも迷いがないように感じられたのは、確かな練習の成果と言えるだろう。
25得点の活躍を見せたフォトゥも「バイウィークに入る前にコーチ陣とも選手とも自分たちの今の弱点だったり、どういうところが良くないのかをお互いにはっきりと言い合って問題点をチームとしてクリアにすることができました。自分たちのことをしっかりと見つめ直せたことで、チーム状況を改善することができたと思います」と言う。
佐々HCとフォトゥの言葉から推察するに「充実した練習」とは、手探り状態だった開幕直後からようやくチームの方向性が定まり、取り組むべきことが明確になった上で、各々がそれにフォーカスしているという意味だろう。
状況判断がモノをいうバスケットボールにおいて、一瞬の迷いが試合を分けることもある。そういう意味では最後まで集中して試合の流れの中でアジャストしながら迷いなくプレーし続けたこの群馬戦の収穫は大きかったと言える。
ホーム3連勝で宇都宮はシーズン成績を8勝6敗として、とうとう勝率5割を突破。本日と明日は再びホームで河村勇輝率いる横浜ビー・コルセアーズとの対戦が待っている。この2連戦を乗り越え、さらに波に乗ることができるか。

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)
写真/©︎B.LEAGUE
【次ページ】宇都宮ブレックスvs.群馬クレインサンダーズの試合写真をチェック