フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会13日目、男子シングルス準決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)に7-6(6) 3-6 7-5…

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会13日目、男子シングルス準決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)に7-6(6) 3-6 7-5 6-7(3) 1-6で敗れ、2年連続の決勝進出を逃した。しかしマレーは、続くグランドスラム大会、ウィンブルドンに向けてベストな状態にもどりつつあると感じている。

 マレーは3月のインディアンウェルズ、4月のモンテカルロ、バルセロナ、5月のマドリッド、ローマと、それぞれ早期敗退を喫し、本来の調子を出すことができないでいた。

 だが、この全仏オープンのワウリンカ戦までの約2週間で、世界1位のマレーは本来の調子を取り戻しつつあるようだ。

「この全仏オープンの結果には満足しているし、よくやったと思う。あとタイブレークを1つ取れば決勝にいくことができたんだからね。この結果に満足するべきだよね」とマレーは言った。

 全仏前までの大会では本来の調子を出せずにいたが、この全仏をプレーすることで、それらの悪い結果を払拭できたと彼は感じているのだ。

「ここに来るまでに試合を十分にこなしていないことが、今日の敗戦につながったのかもしれない。長いラリーのポイントもたくさんあったし、本当に今日はタフな試合だった。4時間半以上の試合を戦うことは、慣れていないとたいへんなことだよ。今大会への調整不足は反省点だと思うけど、調子は本当によくなってきたし、すべてにおいていい形で大会を終わらせることができたと思う」とマレーは言った。

 昨年のウィンブルドンで優勝、リオ五輪でも2大会連続で金メダルを獲得したマレー。全豪と全仏では惜しくも準優勝だったが、それらの好成績によって2016年は世界ナンバーワンでシーズンを終えた。

 30歳のマレーは、その昨年と同じレベルにまで戻りつつあると感じていて、期待もしている。

「昨年の調子がよかったときのレベルにどれくらい近づいたかはわからないけど、この2、3試合は本当にいいプレーができている。どんなにいいプレーができていたとしても、すべての試合に勝てるわけじゃないからね。でもこのグランドスラム大会の準決勝まで勝ち上がることができたんだから、いいプレーをしていることは確かだよ」

 マレーはこれから始まるグラスコート・シーズンと、特にウィンブルドンの2連覇に向けて、前向きにとらえている。

「ワウリンカとの今回のような試合は僕にやる気を与えてくれる。僕のプレーのどこがよかったのかを分析したり、この約10日間で得たものやトレーニングを見直して、これから始まるグラスコート・シーズンに役立て、いいプレーができるよう期待しているよ」とマレーは言った。

 ウィンブルドンはロンドン南西のオールイングランド・クラブで、7月3日から始まる。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「全仏オープン」準決勝でスタン・ワウリンカ(スイス)にフルセットで敗れた世界1位のアンディ・マレー(イギリス)。敗れたがよい手応えを感じていると話した。(撮影◎毛受亮介/テニスマガジン)