京王線「明大前駅」から徒歩1分の場所にある室内練習場「THE ANCHOR BASE」 都心の最寄駅から徒歩1分の場所に…

京王線「明大前駅」から徒歩1分の場所にある室内練習場「THE ANCHOR BASE」

 都心の最寄駅から徒歩1分の場所に室内練習場「THE ANCHOR BASE」を6月にオープンした並木健さんは、少年野球チームでコーチをしながら、野球をしている3人の息子を育てている。育成方針は「解決型思考とチャレンジ精神」。子どもたちが自ら考えて練習するように工夫を凝らし、時には父親としての生き方で“模範”を示している。

 野球について考える時間は増え、今や生活の一部となっている。少年野球チームでの指導を始めて5年。室内練習場をつくるまで、並木さんの熱は高まっている。

 京王線「明大前駅」から徒歩1分の距離にある「THE ANCHOR BASE」は6月にオープンした。野球少年少女が都心で気軽に練習し、体について学べる場所が必要と考えた並木さんがつくった施設だ。

 地元の少年野球チームで5年前からコーチをしている並木さんは、野球をしている小学生の息子3人を持つ“野球パパ”でもある。現在小学6年生の長男がチームに入った1年生の時からコーチを務めている。トレーナーや柔道整復師に教わったり、文献を読んだりして最新の知識や指導法を学んでいる。

 室内練習場の利用者がいない時間は、息子たちと一緒に練習することも多い。野球に没頭する日常。口うるさく指導したり、厳しい声をかけたりしそうだが、並木さんは練習内容や練習するかどうかさえ自分から考えを伝えることはないという。

上手くなるには目標設定や課題認識が不可欠 練習メニューは子どもが決定

「本人が理解、納得した上で練習するのが最も効果的です。注意するのは危ないことをした時、約束を守らなかった時くらいです。中学生以降に自分で考える準備として動作の基礎を伝えた後は、会話の中で子どもたち自身がメニューを決めるようにしています」

 並木さんは「練習すれば必ず上手くなるわけではないと思います」と話す。練習をパフォーマンスアップにつなげるためには、目標や練習の目的、課題の認識や手段の選択が不可欠だと考えている。例えば、投手をしている長男は、球速10キロアップを現在の目標に掲げている。

 がむしゃらに走り込んで投げ込みをする方法でもいずれは目標を達成できるかもしれないが、怪我のリスクを伴う。それよりも、柔軟性を高め可動域を広げ、体幹と連動させる身体操作トレーニングを取り入れることで、より球に力が伝わる体の使い方を追求する方法をメインに選ぶ。

 並木さんは「子どもたちが自分に何が必要かを考えて、取り組むことが大切だと思います。考える習慣や体の知識や感覚は将来に生きるはずです」と語る。決して自分の感覚や価値観を押し付けず、息子たちの目標や考えを尊重した上で客観的な提案やアドバイスをしている。そして、子どもたちが自ら練習したいと思うように、ひと工夫を凝らす。

継続に大切な練習の終わり方「気持ちを下げず、満足感を持ち過ぎない」

「気持ちが下がったまま、または満足感を持ち過ぎて練習を終えると、継続しなくなるので良くないと思います。成功と失敗を繰り返すことが、次の課題に向けた挑戦と継続するためのやる気になります。その日の目標を1つクリアしたら思い切り褒め、最後に次の課題と理由を伝えて終わりにしています」

 並木さんは3人の息子に「解決型思考とチャレンジ精神を養ってほしいです」と強調する。野球の練習で指導する際に意識しているポイントだが、自らの生き方で示す時もある。

 今回オープンした室内練習場も、その1つだ。室内練習場に適した物件が少なく、さらには土地や家賃が高い都心で、施設をつくるのは簡単ではない。並木さんは現在の場所を見つけるまでに2年を要した。

 野球教室「BCSベースボールパフォーマンス」と提携して平日に施設を貸し出しているのは、安定的な収益確保が目的の1つ。室内練習場を始めるという目標に向けた課題を1つ1つクリアする姿を子どもたちに見せ、解決型思考とチャレンジ精神を体現した。(間淳 / Jun Aida)