年俸で今季から1億1000万増…「最後までライオンズでやりたいと伝えた」 来季中に国内FA権を取得する見込みの西武・源田壮亮内野手は26日、ベルーナドームに隣接する球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億9000万円から1億1000万円…

年俸で今季から1億1000万増…「最後までライオンズでやりたいと伝えた」

 来季中に国内FA権を取得する見込みの西武・源田壮亮内野手は26日、ベルーナドームに隣接する球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億9000万円から1億1000万円増の来季年俸3億円、総額15億円プラス出来高の5年契約を結んだ(金額は推定)。毎年のようにFAによる主力選手流出が相次ぎ、今季国内FA権を取得した森友哉捕手もオリックス移籍を決断する中、先手を打ってチームのキャプテンの引き留めに成功した。

 来年オフの流出阻止へ球団は大型契約を提示し、源田も“生涯ライオンズ”の決意で応えた。名手は「ライオンズにドラフト(2016年3位)で獲ってもらい、今の僕があるのも、ライオンズで野球をやってこれたからこそだと思っています。『僕も最後までずっとライオンズでやりたいです』と伝えました」と交渉後に語った。

 会見で「西武のどこが好きか?」と問われると、「球団のスタッフさん、監督、コーチを含め、選手のみんなといることが楽しい。ファンの方々も温かい。全部好きです。嫌な所はないですかね」と笑った。5年という長期契約には「本当にありがたい。いいのかな、と思うくらい評価していただきました」と口元を綻ばた後に「現状では、それだけ頂ける選手ではないと思っています。この5年間が終わった時、見合った選手になっていられるように努力していきます」とも。謙虚な人柄に変わりはない。

 いち早く残留を決める要因の1つとなったのが、二遊間コンビを組む盟友・外崎修汰内野手の存在のようだ。1993年2月生まれの源田と1992年12月生まれの外崎は、“同学年”の29歳。今年は源田が遊撃手として5年連続5回目、外崎も二塁手で2年ぶり2回目のゴールデン・グラブ賞に輝いた。2人の同時受賞も2年ぶり2回目。外崎はひと足早く今季中に国内FA権を取得し、10月に4年契約で残留することを発表済みだ。

二遊間組む外崎の残留も大きな要因「頑張ろうかという気持ちになった」

 源田は「僕がライオンズで野球をやりたいと思った中で、トノ(外崎)の存在は結構大きい。一緒に二遊間をやって、同い年で、今年も一緒にゴールデン・グラブ賞を獲れた。先に複数年契約を結んだトノが『来年からも一緒に頑張ろうや』と言ってくれて、僕も『よし、頑張ろうか』という気持ちになった」と明かす。そして「いいですよね、トノ……」と、まるで恋人を思い浮かべるような(?)表情で語るのだった。

 FAによる主力の流出が絶えない西武だが、「ライオンズの顔」を通している選手もいる。2020年オフに3年契約を締結した栗山巧外野手と、2021年オフに2年契約を結んだ中村剛也内野手は、プロ21年目・39歳の同い年でチーム最年長コンビだ。源田は「栗山さんと中村さんの姿を見ていると、本当にファンの皆さんに愛されていると感じる。あんな風になりたいという憧れがあります」と述懐。「僕もトノと一緒に、そんな感じになれたらいいと思います」と“未来予想図”を描いた。

 ファンに向けて「長いお付き合いを、よろしくお願いいたします」と頭を下げ、会見を締めくくった源田。「#源田たまらん」に象徴される華麗な守備を、ひいきのチームの選手として見続けられることが、西武ファンにとって何よりの贈り物だろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)