ドラ1の立大・荘司「ゆくゆくは沢村賞を取れる投手に」 今年のドラフト会議で指名された楽天の新人選手10人(支配下6人、育…
ドラ1の立大・荘司「ゆくゆくは沢村賞を取れる投手に」
今年のドラフト会議で指名された楽天の新人選手10人(支配下6人、育成4人)が23日、本拠地・楽天生命パーク宮城で行われた「楽天イーグルス ファン感謝祭2022」でお披露目された。昨年はドラフト1位から3位までを野手が占めたが、今年は一転、支配下として指名した6人中5人が投手。対照的な新人補強となった。
今年支配下で指名された6人は、全員が大学生もしくは社会人の即戦力タイプで、高校生は1人もいない。しかも5人が投手。というのも、楽天は今季チーム防御率がリーグワーストの3.47に沈んだ。岸孝之投手が来月で38歳、田中将大投手は現在34歳、則本昂大投手も来月32歳で、36歳の涌井秀章投手はトレードで中日移籍が決まった。世代交代の時期が迫っており、球団がすぐに使える投手を求めている表れだろう。
とはいえ、ベテランには豊富な経験と、新人や若手の見本となる技術がある。ドラフト1位の立大・荘司康誠投手が「みなさん長くキャリアを積まれているので、体の面を中心にお話をうかがっていきたいですし、見て学べることもあると思うので、1つ1つの行動を観察して勉強するつもりです」と言えば、2位の鷺宮製作所・小孫竜二投手は「特に田中将大選手にいろいろなことを聞いて、全てにおいて吸収したい」と抱負を述べた。
ドラフトでロッテと指名が重複し、抽選の末に引き当てた逸材の荘司は、最速153キロを誇る本格派右腕。あの野村克也元監督が在任中(2006~09年)に着けた背番号19を継承し、「ゆくゆくは投手として最高の名誉の沢村賞を取れるようなピッチャーになりたい」と大きな目標を掲げた。「特技は早押しクイズ」とユニークな一面もうかがわせる。
25歳のドラ2小孫「4度目の正直で入団できてうれしく思う」
小孫は社会人3年目の右腕で25歳。石川・遊学館高3年時、創価大4年時、昨年と3度にわたって、プロ入りを希望しながら指名されなかった。「4度目の正直でプロに入団することができて、本当にうれしく思います」と感激の面持ちだが、じっくり体力づくりをしている余裕はないのも確か。
「自分は社会人で3年を経てきたので、プロ1年目から活躍して球団の力になりたい」と覚悟を決め、来季の目標も「先発なら、もちろん2桁勝利。先発ローテーションを守れるように頑張りたい」と具体的だ。
一方、昨年のドラフト上位3人のうち、1位の吉野創士外野手と3位の前田銀治外野手は、成長途上の高卒とあって、プロ1年目の今季は1軍出場なしに終わった。2位の安田悠馬捕手はキャンプ、オープン戦でパワフルな打撃を猛アピールし、開幕スタメンマスクを勝ち取ったものの、4月1日に新型コロナウイルス感染が発表され、左手人さし指の負傷もあって、1軍では5試合出場に終わった。
3人とも2軍でキャリアを積んでおり、来季以降への期待は高い。今年1シーズンかけて仕込んだ期待株と、即戦力ルーキーが力を発揮し、10年ぶりのリーグ優勝&日本一に近づけるか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)