逆転の立教!守護神の好投、
流れを呼ぶ男の一撃と主将の意地で土壇場4強入り!!

追い詰められれば追い詰められるほど真の力を発揮する—。それが春王者の底力なのかもしれない。準々決勝の結果から先に言えば土壇場9回に追いつき、タイブレークに突入した延長10回に決勝点をもぎ取って4強進出。試合後の溝口監督のコメントが印象的だ。「全国で勝つ難しさを改めて感じた試合でした。もちろん誰一人諦めていなかったですけど、よく追いついて、勝ち越して、守り切ったと思います」。

思い起こせば春のリーグ戦もそんなゲームが数多くあった。全15試合で4度の逆転勝利。なかでも印象的だったのは明治大との3回戦(5月22日)だ。延長12回の死闘は1点を追う苦しい展開。しかし、一死満塁のチャンスをつくると主砲・笠松(大阪桐蔭)が逆転サヨナラタイムリーを放って、チャンピオンの座をグッと手繰り寄せた。

準々決勝も相手打線に先手を取られた。
先発・手塚(福島)は天理大(阪神大学野球連盟代表)打線に初回からつかまり、二死二塁のピンチを招くと4番・田中秀(明徳義塾)に中前適時打を浴びて先制を許す。そこから決め球のフォークボールがさえて3回までに5奪三振と復調の兆しを見せるが、4回に再び相手打線が襲い掛かる。この回に3本の長短打で2点を追加されて3対0とリードを広げられると、ここで降板が告げられた。

チームの窮地を救ったのは、春のリーグ戦で守護神を務めたサブマリン・中川(桐光学園)だ。4回途中からマウンドに上がると連打を与えずに、打たせて取るピッチングで相手に決定的な1点を許さない。

逆転の立教—。
神懸かり的な勝負強さで35季ぶり優勝に貢献した男の一閃が、チームに再び活力を与える。8回にここまで好投を続ける相手先発・中川(玉野光南)の121球目をとらえると、打球はレフトスタンド中段へ。山根(浦和学院)の豪快な2ランで1点差として反撃の狼煙を上げる。土壇場9回には一死二塁の好機を演出。打席には今大会ここまで6打数無安打のキャプテン・熊谷(仙台育英)。「今日も全員で勝ち取った勝利だと思います」と語った、チーム力を結集した一打はセンター前に転がり、二走・寺山は一気にホームイン。主将の値千金打で試合を振り出しに戻した立教大は、延長10回表のタイブレーク方式の攻撃(一死満塁から)でも、しぶとく1点をもぎ取って勝ち越しに成功。その裏も中川が攻撃の芽を摘み取り、最後の飛球を二塁手・林田(島原)がつかむとホームベース上に笑顔の立教ナインが集結した。

「毎日毎日ヒーローが変わっているのでチーム状態は良いです。でも、まだまだ野球が未完成な部分もあるので準決勝は初回からエンジン全開でいきます!」。頂点に向けてあと2勝。日替わりヒーローも今春の立教らしさ。キャプテンが語る立教野球が完成を見たときに、大学野球の頂点をつかみ取る。


【第66回 全日本大学野球選手権大会】
立教大4-3天理大
勝ち投手:中川
負け投手:森浦
本塁打:立教大・山根