女性の様々な悩みを中心に情報発信をしている、女性医療クリニックLUNAグループのYouTubeチャンネル「るなクリニックch」。
今回は、「ミドルエイジからの女性の悩み」として、「尿もれと骨盤底筋」についてお話します。
まずはじめに、女性は45〜55歳の間に閉経し、この間に女性ホルモンが急速に下がります。
この時、アップダウンをしながら下がるため、自律神経失調症や精神神経症状を起こしやすくなります。
そして、閉経後およそ3年ほど経つと、今度はフェムゾーン(膣と尿道)の萎縮症状が起こったり、コレステロール値や血圧が上がることにより動脈硬化が進む、骨の調子が悪くなるなどが起こります。
ここで、エイジングケアに必要な6要件についてお伝えします。
①血管を守る
②骨を守る
③うつ状態にならないように気をつける
④皮膚の老化を防ぐ
⑤筋肉量を維持する
⑥ガンを早期に発見する
これに加え、年を重ねると、フェムゾーンが弱くなってくるため、そのケアも大切になります。
突然ですが、皆さんは、「骨盤底」をご存知ですか?
骨盤底というのは、恥骨と尾骨に至るひし形のプレート臓器のことをいいます。
このプレートは、骨盤底筋群、皮下組織、じん帯、筋膜などから構成されており、下から膀胱、子宮、膣、肛門を支えています。
そして最も重要な機能なのが、排泄機能を維持しているということです。
元々遺伝的に骨盤底が弱い方がいますが、その方たちが妊娠・分娩で弱らせ、運動量低下により筋肉量も落ち、GSM(閉経関連尿路生殖器症候群:女性ホルモン低下により粘膜や皮下組織が薄くなる)になってしまいます。
この他、便秘や喫煙など様々な悪条件が重なることで、早い方だと40歳くらいから、頻尿・尿もれが起きてしまう他、膣から膀胱・子宮・直腸が出てくる骨盤底障害という状況にもなってきます。
骨盤底には3つに分けるという考え方があり、
・前側が傷む→咳やくしゃみの尿もれが起きる
・真ん中が傷む→頻尿になる
・後ろ側が傷む→子宮脱になる
というように、同じ骨盤底でも傷んでいる場所によって症状が違ってきます。
このうち、1番数が多いのが、尿もれです。
尿もれの種類
尿もれとは、尿を出そうとしていない時に尿がもれるという訴えです。
実は、40歳以上の女性は、誰でも尿もれの経験があると言われています。
そのため、年に1、2回の尿もれは普通です。
ただ、改善した方が良いものもあります。
1つ目が、尿もれのために外出する気がしなくなり、家に閉じこもってしまうということ。2つ目が、尿もれのために楽しみにしていることをやめてしまうということです。
特に2つ目において、スポーツの趣味をやめてしまうというのはあまりよくありません。
スポーツをやめると筋肉量が減りますとより尿もれを起こしやすいという悪循環になります。
これらに該当する方は、比較的早くクリニックにいくことをお勧めします。
そして、尿もれは大きく分けて2つあります。
1つは、咳やくしゃみ、立ち上がった拍子になぜか漏れるという「腹圧性尿失禁」。
もう1つは、急にトイレに行きたくなり、トイレまで間に合わず漏れてしまう「過活動膀胱」というものです。
これらが混ざった混合性尿失禁というものもあります。
大体「腹圧性尿失禁」が50%。「過活動膀胱」が27〜28%。「混合性尿失禁」が20%程度と言われています。
特に混合性尿失禁は、咳やくしゃみでも漏れますし、急にトイレに行きたくなって我慢できず漏れてしまうということで、日常生活を著しく低下していると言われています。
では、目安として、どのくらいの症状でクリニックへいけば良いのでしょうか。
こちらが、その目安になります。
・1日1回以上尿もれをする
・尿もれの量が少なくない
・尿もれによってかなり生活がそこなわれている
逆に
・頻度は2,3日に1回
・量は少し
・尿もれによって、生活が少し損なわれている
これらに該当する方は、すぐにクリニックへいく必要はなく、骨盤底筋トレーニングを3ヶ月行い、それでも改善しない場合に受診することをオススメします。
骨盤底筋トレーニングのやり方
①全身をリラックスさせ、まずは肛門をキュッと締めて緩める
②膣と尿道をキュッと締めて緩める
③肛門、膣、尿道をギュッと締めて吐きながら上にグッと持ち上げる
これを調子が悪い時には1セット5〜10回を3セットやるとよいでしょう。
今回は、40代〜50代女性の悩みに多い尿もれについてご紹介しました。
今悩んでいる方は、自分の症状を見極め、クリニックに受診またはトレーニングで改善を図りながら、健康な生活を送ってください。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文:女性医療クリニックLUNA]
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