リーグ新62発ジャッジとの熾烈な争い…リーグMVPは18日に発表される 全米野球記者協会(BBWAA)の記者投票による各…
リーグ新62発ジャッジとの熾烈な争い…リーグMVPは18日に発表される
全米野球記者協会(BBWAA)の記者投票による各賞の受賞者発表が14日(日本時間15日)にスタートする。エンゼルスの大谷翔平投手は17日(同18日)に発表されるア・リーグ最優秀選手(MVP)の最終候補に入っており、満票MVPに輝いた昨季に続き、2年連続のMVP受賞となるか注目が集まる。
大谷は今季も投打の二刀流でフル回転した。投手で15勝、防御率2.33、219奪三振と好成績を残し、打者でも打率.273、34本塁打、95打点、11盗塁をマーク。史上初の“ダブル規定”を達成するなど躍動した。大谷自身も9勝&46本塁打で“11冠”に輝いた昨季以上の手応えがあったようで、「数字的には去年とあまり変わらない。というか良くなっていると思う」と語っていた。
だが、今オフの各賞はリーグ新62本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が“独占”。選手間投票で選ぶ年間最優秀選手、ア・リーグ最優秀野手、ハンク・アーロン賞はいずれもジャッジが受賞。米スポーティング・ニューズとベースボール・ダイジェスト誌のMVPも、だ。さらにジャッジはシルバースラッガー賞も受賞するなど、ここまで6冠。バラ色のオフとなっているスラッガーに比べると、大谷は無冠と静かなオフとなっている。
大谷vsジャッジ――。実際にMVPに投票する可能性のある米記者の誰もが「史上最高のMVPレース」と口にするものの、やはりジャッジ優勢か。MLB公式サイトのヤンキース番ブライアン・ホック記者、同サイトのエンゼルス番レット・ボリンジャー記者は、それぞれ担当球団の選手を推していたが、匿名を条件に取材に応じたある記者は、既成概念を打ち明けた。
「昨季は二刀流にインパクトがあったが今年は……」
「オオタニがやっていることは間違いなく歴史的な偉業だ。だが、エンゼルスは勝っていない。それに昨季は二刀流にインパクトがあったが、今年は……。見慣れてしまったところがあるかもしれないね」
MVP投票は各チームの所在する都市から2人ずつ、両リーグ各30人の記者たちによって決まる。しかし、賞レースならではの問題点を口にしたのは、オレンジカウンティ・レジスター紙のエンゼルス番ジェフ・フレッチャー記者だ。「投票者は全米各地にいるが、テレビはニューヨークを拠点としている。つまり、(ニューヨークの意向が)全米各地に広がるんだ。仮にショウヘイがヤンキース、ジャッジがエンゼルスだったら、間違いなくオオタニが勝つ」。
大谷は年間で最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」の候補にも挙がるだろうが、こちらはアストロズのヨルダン・アルバレス外野手が有力か。「オールMLB」では先発投手部門、指名打者の2部門で最終候補入り。リーグに関係なくファーストチームとセカンドチームを選び、先発投手は各5人、指名打者は各1人が選ばれる。こちらの受賞は期待できそうだ。
大谷本人はそこまで気にしていないだろうが、まさかの無冠なら……。これ以上寂しいことはないし、歴史的偉業を祝した新賞の設立を期待したくなる。(小谷真弥 / Masaya Kotani)