豪州は6投手が登板、7、8回は打者6人で完全投球を食らった 野球日本代表「侍ジャパン」は9日、札幌ドームで豪州との強化試…
豪州は6投手が登板、7、8回は打者6人で完全投球を食らった
野球日本代表「侍ジャパン」は9日、札幌ドームで豪州との強化試合を行い、8-1で快勝した。7番に岡本和真内野手(巨人)、8番に佐藤輝明外野手(阪神)を置くなど、超強力打線を形成。先発全員安打となる12安打8得点の猛攻を見せたが、栗山英樹監督は、豪州投手陣に対し「『ちょっと嫌だな』という印象がすごく残ってしまった」と不安も口にした。
侍ジャパンは、1点を追う2回1死二、三塁。岡本和の2点中前打で逆転に成功した。さらに、5回には強化試合で2戦3発の村上宗隆内野手(ヤクルト)が3戦連続となる右越え2ラン。6回には、佐藤輝、近本光司外野手(阪神)、山田哲人内野手(ヤクルト)らにも適時打が出て4点を追加した。
豪州の投手陣をノックアウトしたように見えたが、栗山監督は「メジャー経験のある投手から、左腕、そして後ろに球の強いピッチャー。精度が上がってくれば簡単には(打てない)」と警戒する。3番手のグロゴスキは打ち崩したものの、7回のニューンボーン、8回のドーランには150キロを超える直球と小さく動く変化球に苦戦。6人で片づけられた。先発のソーポルドはMLBで8勝を挙げ、2013年と2017年のWBCに出場するなど、経験も豊富だ。
投手コーチは元ハム・マイケル中村氏「日本打線はアグレッシブ」
さらに侮れないのは、日本をよく知る首脳陣だ。投手コーチを務めるのは日本ハム、巨人、西武で主に抑えとして通算104セーブを挙げたマイケル中村氏。「打線の印象は、とてもアグレッシブ。初球からどんどん打ってくる積極的な姿勢が目立つ」と侍ジャパンを分析する。「今後、対応策を練って試合の流れを見ながら投手起用をしていきたい」と闘志を燃やした。また、デービッド・ニルソン監督も、中日で「ディンゴ」の登録名で所属した経験がある。
この日、4打数1安打1打点だった佐藤輝も「きれいな回転ではないなというのは感じました」と日本投手とは違う球質を実感。5回にはフェンスに直撃の中越え二塁打を放った一方で、2三振も喫した。近本も「凄い静かだなあって感じでした」と雰囲気の“不気味さ”も感じていた。
来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、1次ラウンドでの対戦が決まっている。WBCでは初対戦となるが、過去には2004年のアテネ五輪準決勝で0-1で完封負けを喫している。豪州ウィンターリーグはまだ開幕前、シーズンを通じ調整ができれば、“ダークホース”として立ちはだかるかもしれない。(川村虎大 / Kodai Kawamura)