7日に東京スタジアムで行われるシリア戦には大く二つの目的がある。「イラクと同じくフィジカルがあり、アグレッシブに来る。良いチョイスをしたと思っている」とヴァイッド・ハリルホジッチが評価するシリアを相手に、13日にイランのテヘランで行われる…


 7日に東京スタジアムで行われるシリア戦には大く二つの目的がある。「イラクと同じくフィジカルがあり、アグレッシブに来る。良いチョイスをしたと思っている」とヴァイッド・ハリルホジッチが評価するシリアを相手に、13日にイランのテヘランで行われるW杯アジア最終予選・イラク戦へのシミュレーションをすること。もう一つがそのイラク戦、さらには先の戦いに向けた新戦力の発掘だ。「ボールがはねるので、テクニックはあまり使えないかもしれない。また、ダイレクトなプレーが増える。常にフィジカル的に戦えるか」。そう指揮官が想定するイラク戦のスタジアムと“味スタ”ではピッチ状態やプレー環境が大きく異なるが、今回のシリア戦ではそうしたアウェイの厳しい状況をできるだけ想定した、“フィジカル的な戦い方”をあえてチョイスしていくことが考えられる。

 その中で新戦力をどれだけテストできるか。今回は5月28日から欧州組合宿をスタートし、シーズンを終えた彼らのコンディションを引き上げた。一方で、国内組の選手たちは合流して3日目でシリア戦を迎えるため、大きなリスクは冒しにくい。しかし、CBと[4-3-3]の中盤は起用が定まっておらず、シリア戦のテストが大きなカギを握る。
 振り返れば昨年11月のオマーン戦では何人かの新戦力がチャンスをもらい、そこから大迫勇也が主力に定着。途中出場だった久保裕也もその後の活躍につなげた。すべてのポジションに言えることではあるが、今回は特にCBと中盤の選手にとって大きなチャンスだ。吉田麻也の相棒候補は昌子源と槙野智章が争うと見られるが、初選出の三浦弦太も指揮官の求める“デュエル”に自信を持ち、精神的な強さも備える。「ガンバでやってきたプレーを出していきたい」と語る22歳のDFは「今後ずっと入っていけるようにアピールする」と意気込む。イラク戦に向けての準備、そしてCBと中盤の競争に注目だ。

文・河治 良幸