“知らない番号”からの電話にソワソワ…トライアウト受験者が送る“もどかしい日々” プロ野球12球団合同トライアウトが、8…

“知らない番号”からの電話にソワソワ…トライアウト受験者が送る“もどかしい日々”

 プロ野球12球団合同トライアウトが、8日に楽天生命パークで行われた。参加した49選手は、NPB球団からの連絡を待つことになる。スマートフォンとにらめっこし、知らない番号に一喜一憂する数日間。時間の経過とともに、期待から諦めへと変わっていく。

 トライアウトの翌日、朝イチにスマホが鳴った。「びっくりして飛び起きました。早速来たかと」。画面に表示された番号に、見覚えはない。昨季限りで中日から戦力外を受けたサイド右腕の三ツ間卓也氏は、慌てて通話ボタンを押した。

「相手は宅配便でした。これからお伺いしますと」

 運送業者を責めるわけにもいかない。ぶつけようのない恨めしい感情を押し込め、電話を切った。「いつかかってくるか分からないので、めっちゃ気になりました。過敏にはなっていたと思います」。ただ“待つ身”は、予想以上につらかった。

トライアウトでは打者3人に投げて1奪三振、2四球

 昨年のトライアウトでは、打者3人に投げて1奪三振、2四球に終わった。受験前から、現役を続けるなら“NPB1本”と公言していたが、独立リーグなどの関係者からの電話もあった。欲してもらえるのはありがたいと思いつつ、その場で丁寧に断りを入れる。可能性はゼロに近くても「1%でもあるなら信じたい」と祈った。

 再起は叶わなかった。「3日後くらいになって、次どうしようかなと考え始めました」。当初からNPBか、引退かの二者択一だったため、残った後者を選択。「いい意味で諦めがつきました」と未練はなかった。

 はや1年がたち、懐かしむように言う。「あのときは人生の崖っぷちに立っているようでした」。どんなに可能性はわずかでも「毎年1人や2人はNPBに戻れる。受ける側にとっては、ありがたい場ですよね」と、トライアウトの意義を見出す。今年も数多の選手が、生きた心地のしない日々を送ることになる。経験者として、どうしても他人事とは思えない。(Full-Count編集部)