ドイツ発祥のトレーニング 岩瀬日大高の女子硬式野球部が初体験 急成長を遂げる茨城・岩瀬日大高の女子硬式野球部が脳トレと運…

ドイツ発祥のトレーニング 岩瀬日大高の女子硬式野球部が初体験

 急成長を遂げる茨城・岩瀬日大高の女子硬式野球部が脳トレと運動を組み合わせた「ライフキネティック」を導入し、さらなる躍進を目指している。スポーツリズムトレーニングのインストラクターを務め、野球塾でも子どもたちにも教えている渡辺智典さんがこのたび同校で指導を行なった。頭を使いながら体を動かす練習に選手たちは悪戦苦闘しながら、判断の正確性やスピードを磨いた。

 少年野球もプロ野球もカテゴリーを問わず、練習の最初にウオーミングアップをする。いきなり強くバットを振ったり、ボールを投げたりすると怪我のリスクがあるため、体を慣らす目的がある。体に加えて、脳の準備もしてから練習に入ると、より高い効果が期待できる。

 脳トレという言葉はすっかり社会に浸透しているが、スポーツ界では最近、脳トレと運動を組み合わせた「ライフキネティック」が注目されている。ドイツ発祥のトレーニングで、脳を活性化させ、神経の伝達機能を高める効果があると言われている。

 このライフキネティックを、茨城県にある岩瀬日大高の女子硬式野球部が初めて体験した。チームは2020年に発足し、全国高校女子硬式野球選手権大会に2年連続で出場している。

 選手が体験したのは、赤、青、黄と3色のカラーボールを他の選手に渡すゲーム。数人で円になり、相手にボールを投げ渡す。この時、赤は自分の名前、青はボールを投げる相手の名前、黄は次にボールを渡してほしい選手の名前を声に出すルールがある。

 ボールの色に合わせて誰の名前を呼ぶか頭を使いながら、ボールを投げたり、捕ったりする。脳と体を同時に使うため、判断には速さと正確さが求められる。慣れてきたら、もう1つボールを追加。このボールは蹴って相手にパスをする。パスする時には、好きな食べ物を声に出す。選手たちは「オムライス!」「ハンバーグ!」と口にしながら、ボールを蹴った。

とっさの判断力や予期せぬ動きへの対応力アップに効果

 ボールが2つになると脳、手、足と働かせる場所が増え、さらに目の動きも加わる。選手たちは声の出し方や捕球に失敗し、悪戦苦闘していた。「GXA野球教室 神奈川・横浜戸部校」でスポーツリズムトレーニングのインストラクターを務め、ライフキネティックの公認トレーナーでもある渡辺智典さんが指導。「脳機能を改善し、短期記憶や状況判断などが養われ、野球のプレーにも生きてきます」と効果を説明する。

「様々な角度から来るボールを目で見て何をすべきか判断するため、とっさの判断力が養われます。野球の守備や走塁は、打球や投手の動きによって判断が変わります。予期せぬ動きに対応し、動きの選択肢を増やすことができます」

 身体能力が高くても、判断の正確さやスピードを欠けば、プレーに生かせない。また、渡辺さんはウォーミングアップにライフキネティックを取り入れる別のメリットも挙げる。「脳を活性化させた状態で練習に臨めます」。筋力や技術に加えて脳も鍛えれば、パフォーマンスアップが期待できる。(川村虎大 / Kodai Kawamura)