■マリアエレーナ

今年の愛知杯とマーメイドSでいずれも2着と、重賞勝利まであと一歩のところまで迫っていたマリアエレーナは、前走の小倉記念で待望の重賞初制覇。レース内容も素晴らしく、全体的に厳しい流れの中、先行集団から上がり最速の脚で抜け出し、2着馬に5馬身差をつける圧勝だった。

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さらに、同レースの2着ヒンドゥタイムズは次走の京都大賞典で4着、同3着ジェラルディーナはオールカマーを勝利と、負かした相手がその後の重賞戦線でも活躍。夏場のローカル重賞ではあったが、決してメンバーレベルが低かったわけではない。そして今回、中間の攻め馬は“過去イチ”と言える反応のよさを見せ、いよいよ充実期を迎えた感があり、エリザベス女王ではなく天皇賞・秋を選択した点からも陣営の自信が窺える。

今回が初めての府中となるが、右回りの【2.1.1.2】に対して、左回りは【3.3.1.2】と馬券内率は上。それに加え、阪神や中京の好走歴から直線の坂で脚が鈍るタイプではなく、初コースを懸念視する必要はないだろう。スタートしてすぐにコーナーがある東京芝2000m戦で、距離ロスを最小限に抑えられる最内枠を引いたのも幸運。歴史を振り返れば、2005年の天皇賞・秋を14番人気で制した牝馬ヘヴンリーロマンスも、クイーンS2着→札幌記念1着と突如覚醒し、1枠から“どデカい”穴を開けた。同馬もその資格は十分にある。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長 元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。