「11.1」さいたまSAでライトフライ級ダブル世界戦 ボクシングのWBO世界ライトフライ級2位・岩田翔吉(帝拳)が28日、11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われる王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)への世界初挑戦(Amazon …

「11.1」さいたまSAでライトフライ級ダブル世界戦

 ボクシングのWBO世界ライトフライ級2位・岩田翔吉(帝拳)が28日、11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われる王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)への世界初挑戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)に向け、都内の所属ジムで練習を公開した。軽快なシャドー、ミット打ちなどを披露。元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーは、世界初挑戦の愛弟子について「肝が据わってますよ」を明かした。戦績はV2を狙う31歳のゴンサレスが26勝(14KO)3敗1分け、26歳の岩田が9勝(6KO)。

 力のこもったパンチによって、ジム内にミット音が響いた。岩田は小刻みに体を揺らしながらワンツー、フック、ボディーなど放つ。同トレーナーは「とてもいいですね。過去一番いいと思います」と仕上がりに太鼓判を押した。

 岩田は9歳の時に総合格闘家の故・山本“KID”徳郁氏のジムに入門。レスリングなどを経験したのち、キックボクシングで全国制覇した。中学2年でボクシングに専念。アマチュアだった東京・日出高時代には、のちにプロで世界王者になる井上拓真や田中恒成に勝利したことがあり、3年時には高校総体を制した。

 18年12月に米国でプロデビューした。粟生トレーナーは初めて見た時の印象について、「爆発力、野性味、華のある選手だなと思いました」と回顧。一方で「駆け引きとかは足りなかったですね」と振り返った。昨年6月のプロ6戦目からタッグを組み、今回が5試合目。「若いボクシングから大人のボクシングになってきた」と愛弟子の成長に自信を持つ。

粟生トレーナー「不安な面はありません」

 山中慎介、村田諒太など数々の名王者を輩出した帝拳ジム。粟生トレーナーもWBCのフェザー級とスーパーフェザー級で世界2階級制覇を果たしながら、多くの選手を間近で見てきた。岩田は世界初挑戦にもかかわらず冷静な様子は変わらない。確かな精神力を持つ26歳について、「とても落ち着いている。華やかな舞台が好きでしょうし、いつもと変わった様子がない。不安な面、心配な面はありません。肝が据わってますよ」と言い切った。

 ゴンサレスは19年8月、名古屋でWBO世界フライ級王者だった田中恒成(畑中)に7回TKO負け。2連勝した後の昨年10月、WBO世界ライトフライ級王者エルウィン・ソト(メキシコ)に判定勝ちで王座奪取した。今年6月に初防衛。粟生トレーナーは当日のプランの一端を明かした。

「いかにこちらから仕掛けるか。躊躇せず、怖がらずに行くのが鍵。相手の経験、テクニックを警戒しているけど、最初の3、4回くらいまではやりたいボクシングをやる。ハマらなければ別のプランで」

 一方、視察に訪れた相手陣営を横目に、岩田は「秘策を見せずにいつも通り。KOで勝ちたい」と王座奪取を誓った。当日はダブルメインカードとして、同級のWBC王者・寺地拳四朗(BMB)とWBAスーパー王者・京口紘人(ワタナベ)が王座統一戦を予定。同じ階級の3団体の王者が、同日同会場に集結して試合をする異例の興行となる。(THE ANSWER編集部)