今後の活動予定は「野球、スポーツに対してまずは勉強していきたい」 日本ハムの杉谷拳士内野手が28日、札幌市内の球団事務所…

今後の活動予定は「野球、スポーツに対してまずは勉強していきたい」

 日本ハムの杉谷拳士内野手が28日、札幌市内の球団事務所で会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。自ら「前進会見」と名付けた、涙あり、笑いありの約45分間に及ぶ会見。一問一答の後半では、今後の方向性として球団フロントへの興味を明かしている。最後のプレー機会は11月5日の、日本ハムと侍ジャパンの強化試合。「父のよう」としたう栗山英樹監督にもユニホーム姿を見せることになる。

――今後、具体的な活動予定は。
「テレビやラジオの件は、たくさんの人たちから素敵なお話を頂いています。その中で僕自身自分の将来をどう過ごしていくのかというのを考えているので、まずは野球に対して、スポーツに対して勉強してから、皆さんに対して責任ある発言、勉強したことを披露できるように、まずは勉強していきたい」

――将来的な指導者への希望は。
「そういった件も、(前GMの)吉村さんをはじめたくさんの方に愛ある言葉をいただきましたし、素敵なお話もたくさんしてきました。ただ指導者になるというのはもの凄く責任重大なことですし、そこから人の人生も背負っていかないといけない立場になるので、そういったことも踏まえて、まずは勉強して責任ある言葉をできるようにまずは学びたいと思います。だから指導者というよりかは、心の底からファイターズの力になりたいという思いがあるので、その中で自分の立場がどうなるか分からないですけど、学んでいきたいと思います。いつも吉村さんと色んなお話をさせていただいている中で、感謝の気持ちはものすごく強いですし、いつしか吉村さんみたいな存在になりたいと話しているので、笑われるかもしれないですけど、そういったことを踏まえて学んでいきたいなと思います」

――吉村チーム統轄本部長、栗山前監督からはどんな言葉を。
「吉村さんからの言葉は秘密ということで。吉村さんに聞いてください。栗山監督はずっと僕を見てくれていた、父親のような存在でしたし、今回こういう決断になりますと報告した際も『拳士らしいね。拳士は拳士らしく、これからできることをサポートしますよ』という話をしていただいて、電話越しだったんですけど、電話を切った後に涙が止まらなかったです。本当に栗山さんには迷惑かけてばっかりで、ずっと今まで支えてもらっていたなと改めて感じました」

――「吉村さんのようになりたい」という言葉の意味は。フロント業に興味があるのか。
「はい。例えばシフトとか、10年前と今の野球は大きく違うのを感じていましたし、ソフトバンクやオリックスの投手と当たって、どうしてこんな速い球を投げられるんだろう、10年前にこんなことはなかったぞというのを感じていて、そういうことにも興味を持っていたので、アメリカで勉強したいなというのもありましたし、あとはやっぱり強いファイターズでいてほしいので。お客さんをどう呼べばいい、世界一愛される球団になるにはどうしたらいいかも勝手ながら考えていたので、そうなれば一旦外に出て勉強したいというわがままを言わせていただきました」

来季から新球場「悔しい気持ちはある」も「そこはキッパリ」

――どんな14年間だった。
「僕がたくさん、北海道のファンの皆さん、日本中のプロ野球ファンの皆さんから元気をもらったと思っているので、毎日毎日目標を持ちながら過ごす大切さも凄く感じていて、次は今までお世話になった人たちに恩返しをする番だと思っているので、やり切ったなという気持ちの方が強いです」

――新球場でプレーしたかったという思いは。
「新球場になるのは分かっていましたし、何より一番近くの目標で頑張ってきましたので、そこは悔しい気持ちはあるんですけど、新球場に自分の将来を照らし合わせたときには、まだまだ視野を広げていかないといけないなと思うことが強かったのと、いろんな立場でファイターズの未来を考えたときに、今やる選択をミスらないようにしようと思いました。だからジェイ(野村)、幸太郎(清宮)、そういった選手たちがどんどん大人になっていく、その時にもっともっと強いファイターズにできるんじゃないかなという思いがあったので、そこでプレーしたいというよりは違う視線に変わっていたので、そこはキッパリしようと思いました」

――両親の反応は。
「父親はボクシングをやっていてすごく厳しい方でしたし、まずひと言目に父に『野球選手は一度終えます。これから未来に向かって前進します』とお話をしたときに、普段は口数が少ないんですけど『よく頑張った。お疲れ様』という言葉をいただきました。母親は帝京高校時代から朝4時に起きて、ご飯を1升炊いてお弁当をつくってくれて、毎日毎日やってくれましたし、ありがとうという言葉は伝えました。何を言われたかは覚えてないですけど、昨日も連絡をしていましたけど、なかなか話すことって……」

――帝京高の後輩たちの反応は?
「正直、(松本)剛にはすぐに伝えました。自主トレの件もいろいろ頼むぞと伝えました。石川亮にも直接会って伝えましたけど、本当にびっくりしていたというか、あんなに声デカいのに、こんなに小さくなってましたし。郡にはラインで報告しました。本当にみんな(引退を)知らなかったので『スマン、俺やめるわ』と。そうしたら『えっ、自主トレ一緒にできないんですか?』と。その前に野球だろうと(笑)。まだ信じていない後輩がたくさんいます。トレーナーさんたちにもまだ伝えられていないので」

――最後にユニホームを着る機会は。
「11月5日です。この2~3週間、あまり体を動かせていないので。きょう鎌ケ谷に行ってあすから全体練習に入りますけど、ファイターズのユニホームで楽しく野球をやっている姿を見せられたらなと思います」(Full-Count編集部)