フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会8日目、男子シングルス3回戦。 第8シードの錦織圭(日清食品)が体勢を立て直し、チョン・ヒョン(韓国)を7-5 6-4 6-7(4) 0-6 6-…

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会8日目、男子シングルス3回戦。

 第8シードの錦織圭(日清食品)が体勢を立て直し、チョン・ヒョン(韓国)を7-5 6-4 6-7(4) 0-6 6-4で倒したことから見て、雨による順延は錦織に好都合だったようだ。

 オープン化以降のグランドスラム大会において、ふたりのアジア人男子が3回戦か、それ以降で対戦することになったのは、これが初めてだった。チョンはロラン・ギャロス(全仏)で4回戦に進んだ最初の韓国人選手となることを目指して戦っていた。

 土曜日の錦織は、手首の故障に苦しんでいるように見え、また雨で試合が中断される少し前には背中の治療を受けていた。

 中断となる前に、錦織は最初の2セットを先取したものの、第3セットを落とし、第4セットは0-3という劣勢に立たされていた。試合が順延となるに先立ち、錦織はフラストレーションからラケットをコートに叩きつけ、それを折ってしまった。

「雨は僕を大いに助けてくれたと思う。第4セットでは本当に気持ちが落ちていて、メンタル的に準備ができていなかった」と27歳の錦織はコメントした。「今日(日曜)、彼を倒すには何かを変えなければいけないとわかっていた。だから昨日よりよくするために、いくつかの調整を行った」。

 錦織はまた「(今日は)メンタル的により活力があったし、肉体的にもそうだった。足にもよりエネルギーがあった。そのことは大いに助けとなった」とも説明した。

 現在、世界ランキング67位のチョンは、トップ10の選手に対する7対戦で一度も勝っていない。しかし21歳のチョンは、錦織が69本ものアンフォーストエラーをおかした中、初めてもう少しで金星というところまでこぎつけた。

「昨日(土曜日)の僕はあまりに多くのアンフォーストエラーをおかしすぎていたと思う。だからこそ、彼は挽回してきた。それが僕が今日、避けようとしていたことだった」と錦織。「よりリターンを返そうとすること。彼にフリーポイントを与えすぎないようにすること、それを心がけた」。

 錦織は第5セットの序盤にブレークを果たし、5-3からあとは自分のサービスをキープすれば勝利、というゲームでチョンにブレークバックされたが、次のチョンのサービスゲームでふたたびブレークすることに成功。最後はチョンがダブルフォールトし、試合に終止符が打たれた。

「圭とプレーできたのは非常に名誉なことだった。彼は世界的に偉大な選手だ」とチョンは言った。「今日は、彼に対する厳しい試合だった。僕はベストを尽くした。そしてたぶん(勝つための)別の日を心待ちにしている」。

 チョンは2015年にATPの選手たちの投票によって、もっとも上達した選手に選ばれていた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「全仏オープン」3回戦で21歳のチョン・ヒョン(韓国)を倒した錦織圭(日本)(撮影◎毛受亮介/テニスマガジン)

【ハイライト】チョン・ヒョン vs 錦織 圭/3回戦

錦織圭インタビュー(3回戦直後オンコート)

錦織圭 3回戦終了後 記者会見