「11.1」寺地拳四朗戦へ所属ジムで公開練習 ボクシングのWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)とWBA世界同級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ)が11月1日にさいたまスーパーアリーナで王座統一戦(Amazon プライム・ビデオ…

「11.1」寺地拳四朗戦へ所属ジムで公開練習

 ボクシングのWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)とWBA世界同級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ)が11月1日にさいたまスーパーアリーナで王座統一戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)を行う。京口は10月26日、都内の所属ジムで練習を公開。2人のトレーナーは試合について言及した。

 決戦はどんな展開になるのか。京口は大一番を前にしても、必要以上に気負うことなく明るい雰囲気で調整。シャドーの後は激しいミット打ち。強烈な左ボディー、フック、アッパーと多彩なコンビネーションを披露し、1時間たっぷりと汗を流した。その後30分はバイクをこぎ、ストレッチでクールダウン。減量はリミットまで残り2キロほどだという。

「(寺地は今までで)一番強い相手。それは素直に認めているし、強敵だと思う。ファイトウィークに入って緊張感を持ってここまで来られた。やってきたことが結果に繋がる」

 8度防衛していた寺地は、昨年9月に一度王座陥落した。抜群の距離感とジャブで主導権を握り、“打たせずに打つ”スタイルから接近戦にモデルチェンジ。今年3月に王座奪還を果たし、遠近どちらの距離でも戦えることを証明した。

 これに対し、京口はどう戦うのかが注目されている。この日は小口忠寛、小林尚睦の両トレーナーも会見に出席。小口トレーナーは「ゴングが鳴らないとわからない。そこでの京口の対応能力は素晴らしいものがある。そこを信じています。相手の出方への対応がキーになる」と説明。多彩な引き出しから、“後出し”で戦えるようだ。

小林トレーナー「京口は試合を俯瞰して見られる」

 小林トレーナーも「技術的にもスケールアップした。冷静ですし、試合を俯瞰して見られる」とクレバーな頭脳を持っていることを強調。直近2試合を米国、メキシコのアウェーで防衛し、経験を積んだことで「全てにおいてレベルアップした。精神的な部分も。海外でやってきたことで、目に見えない部分が上がっている」と期待した。京口も経験に胸を張る。

「日本は何でも対応できる環境だけど、海外はアクシデントがあったり、何でも都合よくいかない。それを乗り越えた自信がある」

 日本人同士の王座統一戦は、2012年6月にWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔がWBA王者・八重樫東に判定勝ちして以来、10年ぶり2度目。今回の興行では、WBO同級2位・岩田翔吉(帝拳)がWBO王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に世界初挑戦。同級の王者3人が集まる異例のライトフライ級ダブル世界戦だ。

「ここがゴールではない。ただ、キャリアで一番大きな試合なのでしっかりクリアしたい」

 京口は静かに闘志を燃やした。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)