シビアな戦力整理で“GM兼任監督”3年目に向けチームを再構築 楽天は今季、開幕ダッシュに成功しながら、終わってみればリー…

シビアな戦力整理で“GM兼任監督”3年目に向けチームを再構築

 楽天は今季、開幕ダッシュに成功しながら、終わってみればリーグ4位で2年ぶりのBクラスに甘んじた。優勝したオリックスには最大11.5ゲーム差を逆転される結果となり、今オフは大胆な戦力整理を敢行。長くブルペンを支えてきた福山博之投手や、主力候補として多くのチャンスを与えられた釜田佳直投手や内田靖人内野手ら10選手がここまで戦力外に。石井一久監督が“GM兼任”で挑む3年目に向け、チーム再構築の本気度が顕著になっている。

 5月10日には球団記録となる11連勝を記録し、前半戦のパ・リーグを牽引。星野仙一監督時代の2013年以来9年ぶりの悲願が期待されたが、徐々に失速。最大「18」あった貯金も使い果たし、最終成績は69勝71敗3分けだった。

 今オフの動向で特筆すべきは、期待度の高かった“元有望株”の選手へのシビアな判断。今月22日には釜田と内田を含む5選手に戦力外を通告。釜田は、1年目に自己最多タイの7勝、防御率3.28の好成績を残すも、その後は右肘の故障に苦しみ満足な結果を出せず、過去3年間では7試合登板にとどまり未勝利だった。

 内田は2017年にイースタン・リーグで本塁打、打点の2冠をマーク。翌2018年は1軍で12本塁打とブレークの兆しを見せるも、徐々に出場機会は減少した。今季は8試合で1安打のみとなっていた。また、岩見政暉外野手は2017年ドラフト2位の高評価で入団も、1軍では通算1本塁打に終わり、和製大砲としての期待に応えることはできなかった。

 さらに戦力整理の波は、ベテラン勢にも。長くチームを支えた福山は怪我の影響もあり、4年連続で60試合以上に登板した2017年を境に登板数が減少。今季は3試合にとどまっていた。34歳の福井優也投手も2019年の楽天加入から2年間は先発、過去2シーズンはブルペンを支えるもチームを離れることとなった。福井は2軍では20試合で防御率1.37の好成績。リリーフとしての適性と経験を他球団で生かすことができるだろうか。

課題の投手陣強化のため、ドラフトでは即戦力投手を多く指名

 外国人選手の出来にも泣かされた1年だった。宋家豪投手はチーム2位の54登板、アラン・ブセニッツ投手も34登板で防御率2.27と安定感を見せたが、問題は野手陣。クリス・ギッテンス内野手は21試合で打率.242、0本塁打。昨季マイナー3Aで26本塁打のホセ・マルモレホス外野手は58試合で打率.208、7本塁打、28打点と期待通りの活躍とはいかなかった。

 来季に向け、チームの懸念点は投手陣。リリーフでは西口直人投手が61試合でリーグ2位の34ホールドポイントを挙げブレークし、7月30日に支配下昇格したルーキーの宮森智志投手は初登板から22試合連続無失点の日本タイ記録を樹立するなど新戦力が台頭したものの、先発は田中将大、岸孝之、則本昂大のベテラン3投手以外に光明が見えなかった。リーグ最下位の防御率3.47の改善が浮上には不可欠といえるだろう。

 今月のドラフト会議では、ロッテとの競合の末に1位で荘司康誠投手(立大)を獲得し、2位~4位でも大学生と社会人の即戦力投手を指名。課題解決に向けて“意図”がはっきり見える補強となった。

 GM兼任で2年目を終えた石井監督にとっては、指揮官としても、編成の全権を握る身としても、結果が欲しい2023年となる。戦力整理に加えウィークポイントを埋める補強が、今季前半に見せた快進撃の再現、さらには悲願の10年ぶりリーグ優勝に向けて不可欠になってくる。(Full-Count編集部)