岩佐亮佑の再起戦 ボクシングの元IBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(セレス)は25日、東京・後楽園ホールで62.0キロ契約10回戦を行う。世界王座陥落から1年6か月ぶりの再起戦。24日は都内で前日計量に臨んだが、1回目は岩佐が62.…

岩佐亮佑の再起戦

 ボクシングの元IBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(セレス)は25日、東京・後楽園ホールで62.0キロ契約10回戦を行う。世界王座陥落から1年6か月ぶりの再起戦。24日は都内で前日計量に臨んだが、1回目は岩佐が62.25キロ、対戦相手のゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)が62.6キロでともに超過した。岩佐は2回目に61.8キロでクリア。この日はセミファイナルも含め、3人が1度目の計量で体重超過した。戦績は岩佐が27勝(17KO)4敗、セルバニアが34勝(16KO)3敗。

 超過した選手には2時間の猶予が与えられ、その間は何度でも再計量できる。しかし、セルバニアは1度目でギブアップ。試合当日の午後6時に計量を義務付けられ、64.0キロが上限に設定された。岩佐は250グラムオーバーで「すみません……」と恐縮しきり。クリアを目指し、汗を流しに外出した。

 47分後の再計量では61.8キロ。会場で「すみませんでした」と何度も繰り返し、「お騒がせしました」と頭を下げた。もともとは57.1キロのフェザー級で発表していたが、セルバニアがクリアできないことを事前に連絡。59キロ、62キロと段階的に上げてこの日を迎えることになった。

 異例の通達により、岩佐は最後に難しい微調整を強いられた。普段の65、6キロからの減量幅は小さくなったとはいえ、慣れない体重での減量。それでも、最後はプロとしてしっかりとクリアした。「調子はいいです」と明かしたが、調整期間の心境は複雑だったという。

「最初は何だよって思いました。減量は闘争心が上がるもの。苦しい分、試合で気持ちをぶつけられる。遊びじゃねぇんだよって思って闘争心が落ちることもありました。でも、やってきたことは変わらない。応援してもらえる人のためにも全身全霊で集中して切り替えました。

 最初はフェザー級契約なので、(62キロ契約の時点で)5キロオーバー。相手には呆れるというか、初めてのこと過ぎてよくわからないです。一発ももわらずにしっかり勝ちたい。名前のある選手ではあるので、それに勝つことが全て。勝つことを考えて明日は集中したい」

陣営会長「正直、怒ってます。岩佐は気持ちをつくるのも難しかったと思う」

 陣営のセレス小林会長は「正直、怒ってます」と相手の調整に吐露。「ただ、岩佐が試合をやりたがっていた。応援してくれる人もいる。気持ちをつくるのも難しかったと思う」と愛弟子を慮った。

 岩佐は2017年9月にIBF世界スーパーバンタム級王座を奪取。初防衛後の18年8月に王座を失ったが、19年12月に同級暫定王座決定戦を11回TKOで制して返り咲いた。しかし、昨年4月にWBAスーパー&IBF統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との王座統一戦で5回TKO負け。ストップのタイミングに対し、海外メディアやファンから「早すぎる」との声が上がるなど不完全燃焼に終わっていた。

 セミファイナルでは東洋太平洋フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチが行われるが、この日の前日計量で王者ジーメル・マグラモ(フィリピン)が51.7キロで900グラム超過。挑戦者の同級14位・桑原拓(大橋)はリミットで一発クリアした。マグラモも再計量に向けて体を動かし、約1時間後の2回目は50.7キロでパスした。(THE ANSWER編集部)