フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会7日目、男子シングルス3回戦で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第29シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を7-6(…

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会7日目、男子シングルス3回戦で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第29シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を7-6(8) 7-5 6-0で破り、ベスト16進出を決めた。試合時間は2時間53分。

 デル ポトロは第1セットを5-3でリードしたあと、マレーのサービスゲームで最初のセットポイントをつかんだが、マレーの時速129kmのセカンドサービスのリターンミスでこれを失い、その後、マレーがサービスキープした。

 第10ゲームのデル ポトロは自身のサービスゲームで2度目のセットポイントをつかんだが、バックハンドのエラーとダブルフォールトでマレーにブレークバックを許す。

 その後、タイブレークに突入。デル ポトロは7-6とリードし、3度目のセットポイントを握ったが、ダブルフォールトをおかしてこのチャンスも逃した。さらに8-7でつかんだ4度目のセットポイントでは、マレーとの長いラリーの最後にデル ポトロがフォアハンドをミスした。

 反対にマレーは、タイブレークで9-8とリードし、3度目のセットポイントをつかんだ。そこではデル ポトロの強烈なフォアハンドがサイドラインギリギリでアウトし、結局マレーが10-8で第1セットを獲得。このときのデル ポトロはネットにもたれかかり、頭を下げて落胆の色を隠せなかった。

 4度のセットポイントを逃して第1セットを失ったデル ポトロは、その後も調子を取り戻すことができず、続く第2セットを5-7、第3セットを0-6で落とし、2012年以来の出場だった今回の全仏は3回戦敗退となった。

「あのセットを落としたことが信じられない。本当ににがっかりだよ」と、2009年全米覇者のデル ポトロは試合後にコメントした。

 マレーの角度のあるリターン、絶妙なドロップショット、デル ポトロの高い打点からの強烈なフォアハンドの切り返しなど、マレーの試合運びをデル ポトロは称賛した。

「アンディは試合巧者で、僕のどこが弱いかがわかっている」とデル ポトロは言った。

 過去にデル ポトロは左手首の故障により両手打ちバックハンドが思うように打てず、手術を繰り返し行っていた。

 一方、マレーは約1時間半におよぶ攻防が繰り広げられた第1セットを奪ったあと、徐々に世界ナンバーワンの実力を見せ始めた。そして、そのあとの約1時間半、第2セットと第3セットは今シーズンのクレーでの最高のプレーだったとマレーは断言した。

「この6、7週間は調子がよくなかったけど、ようやくいい感じになってきた」とマレーはコメントした。マレーは過去にウィンブルドンと全米のタイトルを獲得していることから、速いサーフェスが得意と思われがちだが、昨年の全仏では準優勝している。

 マレーは4回戦で第21シードのジョン・イズナー(アメリカ)とカレン・カチャノフ(ロシア)の勝者と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「全仏オープン」3回戦で世界1位のアンディ・マレー(イギリス)に敗れたフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)(撮影◎毛受亮介/テニスマガジン)