サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question ジエリンスキがボールを受けたナポリは、このあとどのように崩…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
ジエリンスキがボールを受けたナポリは、このあとどのように崩したか?
セリエA第10節、ナポリ対ボローニャが行なわれ、ホームのナポリが3-2で競り勝った。ナポリはこれで8勝2分と今季無敗で、単独首位をキープした。
立ち上がりからナポリが主導権を握るが、前半終了間際の41分に一瞬の隙を突かれてボローニャに先制を許す。しかし直後の45分にCKからフアン・ジェズスのゴールで同点に追いついた。
ナポリは後半頭から、ストライカーのビクター・オシムヘンとウイングのイルビング・ロサーノを投入。後半4分にロサーノが加点し勝ち越したが、直後の6分に追いつかれ、再び振り出しに戻る。
しかし後半24分、ナポリはオシムヘンが決勝点を決め、3-2のシーソーゲームを制した。
今回は、決勝点となったオシムヘンの得点シーンを取り上げる。

ジエリンスキがボールを持ったあと、ナポリはどのように相手を崩したか
後半24分、ナポリのビルドアップで、インサイドハーフのピオトル・ジエリンスキが下がってきて、ジェズスからボールを引き取る。
マークをいなし前を向いた次の瞬間、ナポリはどのように崩したか、というのがQuestionである。
Answer
中盤のスペースに入ったクワラツヘリアへ縦パスを入れ、裏へ抜け出したオシムヘンにスルーパス
ナポリが見事なポジション優位によって、ボローニャの守備を攻略したシーンだった。
ナポリが後方でつなぐ時にまずポイントになったのが、左サイドバック(SB)のマリオ・ルイのポジショニングだ。ジェズスがボールを持つと、マリオ・ルイはすかさず高い位置を取り、相手のムサ・バロウの背後に立った。

中盤のスペースへ入ったクヴァラツヘリアが縦パスを受け、オシムヘンへスルーパスを出した
これにより、左サイドでボローニャの右SBシュテファン・ポッシュに対し、フヴィチャ・クヴァラツヘリアとマリオ・ルイの数的優位を作っている。
そしてジエリンスキがインサイドハーフからアンカーの位置まで下がり、ボールを引き取ると、ボローニャのルイス・ファーガソンが釣り出され、ボランチの位置にスペースが生まれる。
ジエリンスキがファーガソンのマークを剥がして前を向いた次の瞬間、クヴァラツヘリアがボランチのスペースに入り、パスを呼び込む。ポッシュはついていきたいが、マリオ・ルイがいるため、バロウに指示を出すが、バロウは背後のできごとに気がつけなかった。
クヴァラツヘリアがパスを受けて前を向くと、今度はオシムヘンがケビン・ボニファツィの背後を取るようにダイアゴナルラン。最後はクヴァラツヘリアのスルーパスで抜け出したオシムヘンが、冷静に流し込んだ。
今季のナポリは、セリエA10試合で25得点。CLでも4連勝17得点と、攻撃力が爆発している。その好調ぶりがうかがえる、鮮やかなポジショナルプレーでの得点シーンだった。