遠投100メートル、二塁送球1.8秒台の強肩にスカウトも注目 今年のドラフト会議では支配下69人、育成57人がNPB球団…
遠投100メートル、二塁送球1.8秒台の強肩にスカウトも注目
今年のドラフト会議では支配下69人、育成57人がNPB球団から指名を受けた。今後は指名あいさつ、仮契約などを経て、正式にプロ野球の扉を叩く。そんな中、“金の卵”を発掘するスカウト陣は息つく暇もなく、来秋のドラフトに向け準備を進めている。早くも注目を集めているのは超高校級の強肩を誇る万能型捕手だ。
試合前のシートノックで観客を沸かすのが兵庫・報徳学園で主将を務める堀柊那捕手だ。遠投100メートル、二塁送球1.8秒台をマークする強肩から放たれる送球。重力に逆らうような強烈な軌道を描くスローイングにはプロスカウトも「上位クラス」と評価している。
名門で1年生の時からマスクを被る堀は「自分には足りないところは沢山ある。二塁送球の安定感など、まだまだ上手くなれる。一番自信を持っているのは肩。これだけは誰にも負けない気持ちでプレーしています」と、口にする。
自慢の強肩はすでに他チームの脅威になっている。1年秋から出場する公式戦では、これまで一度も単独スチールを許していないという。「相手に走られると本当にショック。昔に比べると走られなくなった」と、上級生になるにつれて相手の盗塁企画数も激減していった。
今夏の甲子園決勝を現地で観戦「純粋に羨ましかった」
現役時代に捕手として春夏計4度甲子園に出場した大角健二監督も堀のポテンシャルを認めている。山崎勝己(現オリックス2軍バッテリーコーチ)、岸田行倫(巨人)ら数々の逸材を見てきたが「今まで見てきた選手の中でも肩の強さは歴代トップクラス」と、目を細める。
堀の魅力は強肩だけじゃない。今春の近畿大会・準決勝では智弁和歌山の144キロ右腕・塩路から左中間へ先頭打者本塁打を放ち、今春の兵庫大会準決勝・育英戦では二盗、三盗を決めた。50メートル6秒1の俊足、高校通算12本塁打(10月現在)をマークする打撃と「走・攻・守」三拍子揃った万能捕手としてチームを牽引している。
スカウトからの熱視線を浴びるなか、堀が目指すのはチームとして2018年夏以来の甲子園出場だ。今夏は甲子園球場に足を運び、仙台育英の初優勝を見届けた。2年生の正捕手・尾形樹人が躍動する姿に目を奪われ「純粋に羨ましかった。同い年で負けたくない。自分たちもあの舞台で試合をやりたい」と、聖地への思いは人一番強くなった。
今秋の兵庫大会では3年ぶり14度目の優勝を果たし、10月22日から始まる近畿大会の出場を決めている。「(兵庫の)優勝は嬉しかったが、まだ甲子園は決まっていない。選考される結果を残したい」。報徳史上“最強の肩”を誇る男は全国の舞台を見据えている。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)