15日の横浜ビー・コルセアーズ戦では3ポイント「5分の5」と大当たり 名古屋ダイヤモンドドルフィンズのバスケットボールが…

15日の横浜ビー・コルセアーズ戦では3ポイント「5分の5」と大当たり

 名古屋ダイヤモンドドルフィンズのバスケットボールが面白い。今季B1リーグ開幕からの6試合を4勝2敗で乗り切っていて、1試合の平均得点は「88.3」とリーグでも2番目の数字を記録している。

 昨季の名古屋Dは西地区3位(34勝15敗)でチャンピオンシップに進んだものの、外国籍選手2人が負傷離脱するアクシデントもあり、クォーターファイナルで川崎ブレイブサンダースに敗れている。2022-23シーズンはショーン・デニス・ヘッドコーチ(HC)が2季目を迎え、齋藤拓実や張本天傑といった主力選手も残留。積み上げがあるなかで新シーズンを迎えていた。

 91-84で勝利した15日の横浜ビー・コルセアーズ戦の後に、デニスHCはこう口にしていた。

「相手のオフェンスリバウンドに我々は苦しめられましたし、ディフェンスが何回か崩れて特に前半は3ポイントを与え過ぎました。我々はチャンピオンシップチームになりたいので、いろんな波を乗り越えないといけません。今日はそれが良くできて、いろんな波を乗り越えて試合を終えられました」

 この日の立役者になったのが、ポイントガード(PG)の齋藤拓実だ。横浜BCのPGは河村勇輝で、“PG対決”も同カードの注目ポイントだった。27歳の齋藤と21歳の河村はいずれも170センチ台前半の小兵ながら、B1最高レベルのPGで、トム・ホーバス率いる日本代表の候補でもある。

 15日の齋藤は20得点、7アシストの活躍を見せた。相手のマークが厳しいなかで、第3クォーターの途中までは仲間を生かすアシストを量産しつつ、終盤の勝負どころではビッグショットを連発した。さらに3ポイントシュートは5本放って、すべて決めている。

 本人は「5分の5」と大当たりだったことについては「3ポイントは、トムさんのバスケットではかなり重要になってくる。そこは今シーズン積極的に打って、しっかり結果を残したいなという気持ちで入っている」とコメントしていた。齋藤は6試合を終えて、3ポイントシュート成功率が55.6%と強烈な数字を残している。

 昨季から齋藤を称賛するコメントを口にしていたデニスHCだが、改めてその能力を称えていた。

「リーグの中では最高のPGだと思っています。なぜナショナルチームでもっとチャンスがなかったのか、疑問なほどです。賢いし、大事な場面で点を入れてくれるし、大事な時にアシストもしてくれる。ディフェンスもみんなが思っているよりいい。リーダーシップの面でも、彼は今年挑戦しています。チームキャプテンになってオンコート、オフコートでチームを引っ張っていく存在になりました」

名古屋Dが目指す攻守に積極的なスタイル

 齋藤を中心にした名古屋Dのオフェンスは融通無碍だ。オーストラリア人指揮官はこう口にする。

「(15日の)前半は相手チームが齋藤をマークしていて、彼は後半の途中までに6アシストを取りました。その後は(相手の対応を見極めて)点を取りに行きました。彼は自分でそこを調整できる選手です。チームもそういう成長をしていっています。コーチが誰かに『点を取りに行け』『あれをやれ』と指示をするのでなく、チーム全体で流れを見て、ディフェンスに反応してプレーしています」

 名古屋Dの1試合平均の失点数は「82.5」で、この数字だけを見ると要改善だ。しかし、これには彼らのスタイルが影響している。

「点数だけを見てディフェンスの評価をするのは違うと思います。去年はターンオーバーからの得点がリーグ最多でした。我々はディフェンスからテンポを作ってオフェンスをやります。ハイペースな、テンポの高いプレーをしますから、ポゼションも多くなる。自然と点数も多くなります。失点が多いからディフェンスが悪いということではありません」(デニスHC)

 アグレッシブな守備がハイスコアを生む。そのような連関について、新主将はこう述べる。

「去年からスタイルを変えずにやっていますが、ほとんど同じメンバーでやれていることが大きくて、システムの理解が高い状態でシーズンに入れました。(名古屋Dの)ディフェンスはトラップが多かったりして、オフェンスを速いテンポで入りやすいシステムになっています。PGとしても、ディフェンスからオフェンスに切り替わる瞬間は常にプッシュしながら、速いテンポを意識しています」

 齋藤はチームのキャプテンで、エースの1人だが、名古屋Dが彼のワンマンチームかと言ったら違う。プレータイムは15日が22分34秒、16日は23分27秒にとどまった。モリス・ンドゥール、張本天傑、レイ・パークスジュニア、伊藤達哉といったセカンドユニットも強力だ。

「僕たちのバスケットは全選手がボールを触って、目の前で起きていることに対して判断するシステムです。平均的にみんながバランス良く点数を取れる。やっている側もきっと楽しいし、見ている人たちにもきっと楽しんでもらえるバスケットです」(齋藤)

 そして指揮官はこう意気込む。

「B1で初めて、1試合に平均90点を取るチームになりたい。遅いバスケット、ピックアンドロールをしてボールを中に入れて、じわじわ攻めるバスケットよりは、こういうバスケットのほうが『楽しいのでは?』と思います。エキサイティングで、ファンも喜ぶと信じています。Bリーグは『NBAの次にエキサイティングなリーグ』を目標にしていますが、我々のやるようなバスケットはその一歩です」(大島 和人 / Kazuto Oshima)