ソフトバンクはエース・千賀が7回途中無失点の好投で日本シリーズ進出に望み■ソフトバンク 3ー0 オリックス(CSファイナ…
ソフトバンクはエース・千賀が7回途中無失点の好投で日本シリーズ進出に望み
■ソフトバンク 3ー0 オリックス(CSファイナル・14日・京セラドーム)
ソフトバンクは14日、京セラドームで行われたオリックスとの「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第3戦を3-0で勝利した。エース・千賀が7回途中無失点の好投で日本シリーズ進出に望みを繋いだ。ホークスの大逆転劇はあるのか? 1989年、巨人との日本シリーズで3連勝から4連敗を喫した、元近鉄で野球評論家の新井宏昌氏が分析した。
アドバンテージを含め3敗と崖っぷちだったホークスが意地を見せた。ファーストステージ第1戦から中5日でマウンドに上がった千賀は7回の先頭・中川圭に右前打を浴びたところで、緊急降板となったが7回途中を3安打無失点の投球を見せた。
打線も初回無死二塁から周東の犠打をオリックス・田嶋が一塁に悪送球。その間に1点を奪うと、1死三塁からデスパイネの中前適時打でこの回、2点を先制。7回にはルーキーの野村勇が右翼席にソロを放ち、試合を決めた。
これで1勝3敗。状況が続くが新井氏は「オリックスは田嶋が自分のミスで2失点。対する千賀はエースとしての貫録をマウンドで示すことができた。最終回は失策もあったが三森、柳田が好プレーを見せるなど、一方的だった流れを止めることができた」とホークスにとっては会心の勝利だったと解説する。
「千賀が作った流れをベテラン和田が、繋ぐことができるか」
ソフトバンクはストレートでのCS敗退を逃れたが、ここから逆転することはできるのか。1989年の日本シリーズで“3連勝4連敗”を経験している新井氏は「当時と今の状況は違いますが」と前置きした上でこう語る。
「どの時代も短期決戦は投手の出来によって左右されます。当時は巨人の斎藤、桑田らが日本シリーズのプレッシャーからか、本来の力を発揮しないまま近鉄が3連勝をした。ですが、巨人投手陣はその対戦を元に本来の姿を取り戻した。ソフトバンクは千賀が作った流れを、第4戦で登板するベテランの和田が繋ぐことができるか。そうなればわずかに可能性は出てくると思います」
この日は千賀が降板した後の7回1死二、三塁のピンチで松本がCSで絶好調の杉本を三ゴロ、頓宮をオール直球勝負で遊飛に仕留めるなど、リリーフ陣が奮起。「ソフトバンクは柳田、オリックスには吉田正がいますが、お互い打撃のチームではない。最後まで先発を含めた投手陣がカギを握ると思います」と新井氏。
第4戦に立ちはだかるのは昨年4月30日以来の対戦となるオリックス右腕・山岡。日本シリーズ進出には勝利が絶対条件となる藤本監督は「ウチは1つ勝ってというどころではないから。もう負けたら、そこでシーズン終わりやからね。そういう気持ちでみんないい開き直りで、できてるんじゃないかな」と闘志を燃やしている。
セ・リーグはヤクルトが無傷の3連勝で、阪神を下しCSファイナルを突破したが、パ・リーグはソフトバンクが意地をみせるのか、注目が集まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)