2022世界卓球選手権成都大会（団体戦）＜9月30日～10月9日／中国＞
世界卓球 金メダルへの大一番。日本男子は準決勝で、卓球帝国・中国と激突。第1試合を落とした日本は続く第2試合でエース張本智和（IMG）が登場。
過去1勝4敗と負け越している中国の次世代エース王楚欽（22）との一戦に。第1ゲームは8-11で落とすが、第2ゲーム11-8、第3ゲームを11-6で連取する。
第4ゲーム8-9でリードされた場面で気迫がプレーに宿る。サーブから得点を奪い、大きくのけ反り"ハリバウワー"。渾身の雄たけびをあげて同点に追いつき、2ポイント連取。エース張本が今大会、初めて中国に土をつけ、マッチカウントを1-1とする。
第3試合は及川瑞基（木下グループ）が、東京五輪金メダリストの馬龍から1ゲーム先取するも7連続ポイントなどを奪われて1-3で逆転負け。
後がなくなった日本は再びエース・張本が登場。相手は世界ランク1位の樊振東。中国最強の男を前に、張本は1歩も譲らない。
バックハンド世界一と言われる樊振東にバックハンドで攻めた張本。第1ゲームを先取する。しかし、第2・第3ゲームを奪われ後がなくなる。
33回のスーパーラリーも樊振東にポイントを取られてしまい、じわじわと追い詰められる張本。しかし、日本のエースがここから覚醒。第4ゲームを勝ち切り、望みをつなげる。
「（試合前 ベンチで気合入れ） はっ！」
「樊振東 加油（頑張れ）加油（頑張れ）」現地・中国の完全アウェーの中、運命の最終ゲームへ。
樊振東が決めれば、張本も奪い返して一歩も引かない。一進一退の攻防の中、先にマッチポイントをとったのは張本。
最後はバックハンドを決め、フルゲームの死闘の末に世界ランク1位の樊振東を撃破。中国相手に2勝をあげる歴史的快挙を果たした。
歴史的勝利は最終第5試合の戸上隼輔（明治大学）に託される。第1ゲームは5点のリードから王楚欽に逆転を許す。
その後は、流れを掴めずストレート負けを喫して悲願の中国超えならず。それでも絶対王者を追い込み確かな可能性を見せた日本男子。世界卓球2大会ぶりの銅メダルを獲得した。
■張本智和インタビュー
1試合目も2試合目も次につなげる気持ちで戦っていたので、それが出来たという喜びが、自分が勝つことよりもチームとして勝てる可能性が増えるということに対して、本当にうれしかったです。
チーム一丸となって戦えた大会ですし、負けてしまいましたけれどメダルは獲得できたので合格点だと思います。みんなの力があって、ここまで来られたと思うので。史上最高にいいチームだと思います。また次の機会があれば、同じメンバーで頑張りたい。
