プレミアリーグ第10節、エバートンvsマンチェスター・ユナイテッドが9日にグディソン・パークで行われ、アウェイのユナイテ…

プレミアリーグ第10節、エバートンvsマンチェスター・ユナイテッドが9日にグディソン・パークで行われ、アウェイのユナイテッドが1-2で逆転勝利した。

ユナイテッドは前節、マンチェスター・シティとのダービーで3-6の屈辱の惨敗。連勝が「4」でストップした。直近のヨーロッパリーグ(EL)のオモニア戦を辛くも3-2で競り勝ったプレミア6位のチームは、11位のエバートン相手にリーグ戦でも仕切り直しの白星を狙った。

テン・ハグ監督はオモニア戦から先発3人を変更。マラシアとサンチョ、クリスティアーノ・ロナウドに代えてショーとラッシュフォード、今季初先発のマルシャルと、逆転勝利の立役者を起用した。

雨中のグディソンで幕を開けた名門対決は開始早々に動く。5分、相手陣内でダロト、カゼミロと窮屈なパス回しを強いたエバートンがオナナの潰しからショートカウンターを発動。ボックス手前まで運んだグレイからの横パスがDFに当たってコースが変わると、ペナルティアーク右で反応したイウォビが見事な右足のコントロールシュートをゴール右隅に突き刺した。

ミスから先手を奪われたユナイテッドはすぐさま反撃を開始。相手を自陣深くに押し込んでエリクセンらがフィニッシュへ持ち込んでいくと、15分には中盤でのブルーノ・フェルナンデスのボール奪取からこちらもショートカウンターを発動。中央のマルシャルが縦に運んでボックス右でフリーのアントニーにラストパスを送ると、得意の左足シュートはGKピックフォードに触られたものの、ボールがそのままゴール左隅に決まった。

アントニーのリーグ戦3試合連続ゴールで早い時間帯に追いついたユナイテッドは、このまま逆転まで持っていこうとボールを握って押し込み続ける。エリクセンとB・フェルナンデスの両司令塔を起点に仕掛けのパスを繰り出していく中、幾度かボックス内で際どいシーンを作り出す。ただ、良い流れの中で復帰3戦目のマルシャルが足を痛めるアクシデントに見舞われ、29分にロナウドの投入を余儀なくされた。

前半半ばから終盤にかけては引き続きユナイテッドが押し込む一方、エバートンも中盤での強度の高い守備から縦に速い仕掛けを見せて応戦。互いに2点目に迫る場面を創出する。42分にはラッシュフォードからの正確なクロスに反応したカゼミロがゴール前でダイビングヘッドで合わせるが、これは惜しくも枠の左へ外れた。

この決定機逸で試合は1-1のイーブンで折り返しかに思われたが、今季ここまで思ったほどの存在感を見せられていない元レアル・マドリーコンビが魅せる。44分、自陣中央でイウォビのドリブルを見事に止めてボールを奪ったカゼミロが相手の背後を狙うロナウドへ絶妙なグラウンダーのミドルスルーパスを通す。そのままボックス内まで持ち込んだ赤い悪魔の7番は間合いを詰めにきたGKのポジションを冷静に見極めてゴール右隅へ右足の丁寧なシュートを流し込んだ。

なお、オモニア戦での再三の決定機逸を払しょくする今季リーグ初ゴールを挙げたロナウドだが、このゴールはクラブキャリア通算700ゴール目という偉業達成のメモリアルゴールとなっている。

逆転して試合を折り返したユナイテッドは、良いリズムで後半に入る。早い時間帯の3点目には至らないものの、ホームチームを自陣深くに押し込みながらB・フェルナンデスの遊び心のあるプレーやカゼミロのミドルシュートなどでゴールへ迫っていく。

ただ、時間の経過と共に中2日という過密日程による疲労が出始めると、体力面で余力があるエバートンに押し返されていく。決定的なピンチこそないものの、先制点を決めたイウォビらにボックス内への侵入を許す場面が増える。

後半半ばを過ぎてエバートンが主砲キャルバート=ルーウィン、ユナイテッドアカデミー育ちのマクニール、ガーナーとアタッカーを続けてピッチに送り込んだ中、早く試合を決めたいユナイテッド。80分にはゴールキックを前線のロナウドがヘディングで背後へ流したボールにラッシュフォードが抜け出してDFと交錯しながらもボックス内に持ち込んでゴールネットを揺らす。だが、3点目かに思われたこのシーンはトラップ際のハンドを取られてゴールとはならず。

その後、長身FWロンドンを投入して完全に力業でゴールをこじ開けにかかるエバートンに対して、ユナイテッドはマクトミネイ、ヴァランの投入で逃げ切りを図る。後半アディショナルタイムにはガーナーのシュート性のクロスや攻撃参加したGKピックフォードにゴールを脅かされるが、GKデ・ヘアの好守や守備陣の身体を張ったプレーで何とか凌ぎ切った。

そして、ロナウドの今季初ゴールで逆転のユナイテッドが、ダービー大敗をわずかながら払しょくする2試合ぶりの白星を手にした。