井口氏退任で、後任もメジャー経験ありは初のケース ロッテは7日、来季の1軍監督に吉井理人氏が就任すると発表した。メジャー…

井口氏退任で、後任もメジャー経験ありは初のケース

 ロッテは7日、来季の1軍監督に吉井理人氏が就任すると発表した。メジャーリーグで選手歴のある日本人がNPB球団で監督に就任するのは5例目となる。過去の4人が、就任1年目にどんな成績を残したかを振り返っていきたい。

 日本球界で最初のメジャー選手出身監督となったのは、吉井氏の前任にあたる井口資仁監督だ。ダイエーから米国に渡り、ホワイトソックスではワールドシリーズ優勝も果たした。帰国後はロッテ入りし、2017年限りで現役引退。そのまま翌年から監督に就任した。1年目は59勝81敗3分で、優勝した西武から28.5ゲーム離された5位に終わっている。ただ前年のロッテはソフトバンクに39ゲーム離されての最下位で、順位を一つ上げた。

 2例目、そして初のメジャー投手出身監督となったのがヤクルトの高津臣吾監督だ。2020年に就任し、1年目の成績は41勝69敗10分。優勝した巨人から25ゲーム差の最下位に終わった。前年のヤクルトは59勝82敗2分の最下位だったので、順位は変わらなかった。

 ただ、高津監督のまいた種はのちに大輪の花をさかせる。投球間隔を長くとった先発起用や、リリーフ陣の負担を考えてブルペンでの準備を減らすなどの策もあり、就任2年目の昨季はセ・リーグ優勝、今季も連覇を果たした。

新庄監督は前年5位から最下位に…吉井氏の采配は?

 2021年から楽天の監督となったのが、ドジャースとメッツで投げた石井一久監督だ。2020年はチーム編成の責任者たるゼネラルマネジャー(GM)だったのが、監督兼GMとなった。1年目は楽天を66勝62敗15分の3位に導いた。就任前年の2020年は4位で、順位を一つ上げている。

 そして今季は、メッツとジャイアンツでプレーしたことのある新庄剛志監督が日本ハムを率いた。チームの成績は59勝81敗3分で、優勝したオリックスに16.5ゲーム離されての最下位。新型コロナウイルスに感染してチームを離れた際には、こちらもタイガースなどで現役生活を送った木田優夫2軍監督が代行として指揮を執ったこともあった。栗山英樹監督が率いた前年は55勝68敗20分の5位で、この中では唯一順位を下げている。

 1995年に野茂英雄氏がドジャース入りしたのをきっかけに、メジャーに挑戦する日本人選手は急増した。近鉄時代に野茂氏とチームメートだった吉井新監督は、ヤクルトでプレーした1997年のオフに、始めてFA宣言をして海を渡った日本人選手となった。ロッキーズ、エクスポズ(現ナショナルズ)と渡り歩いたものの、一度もマイナー落ちすることなく通算32勝をマーク。帰国してからはオリックス、ロッテで現役生活を送り、2008年に日本ハムで指導者となった。

 今季リーグ5位に終わったロッテの再建を託された吉井氏は、投手コーチ時代はブルペン運営に気を配った。選手にしっかり準備させることを目的に、役割分担をはっきり伝え、崩さないのを好んだ。今や名監督と評される高津監督とも相通ずる部分だ。メジャー流を取り入れた采配で、どんな成績を残してくれるだろうか。(Full-Count編集部)