BreakingDown株式会社CEO/エグゼクティブプロデューサー/クリエイティブディレクターYUGOインタビュー 前編 朝倉未来、海がスペシャルアドバイザーを務めることでも話題の、1分間最強を決める「BreakingDown」。2021…

BreakingDown株式会社CEO
/エグゼクティブプロデューサー
/クリエイティブディレクター

YUGOインタビュー 前編

 朝倉未来、海がスペシャルアドバイザーを務めることでも話題の、1分間最強を決める「BreakingDown」。2021年7月に「BreakingDown1」が行なわれてから約1年、回を重ねるごとに注目度は大きくなり、今年7月の「BreakingDown5」は関連動画の再生数が1億回を超えた。

 10月5日に「BreakingDown6」のオーディションを控える中、イベントを総合プロデュースするBreakingDown株式会社 CEO / エグゼクティブプロデューサー / クリエイティブディレクターのYUGO氏に、これまでの手応えや「BreakingDown6」で考えている新たな試み、今後の展望などを聞いた。



「BreakingDown」の総合プロデュースを務めるYUGO氏

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――8月16日に「BreakingDown」の初めてスピンオフ大会「BreakingDown5.5」が開催されました。メインの「DJ社長(Repezen Foxx)」vs「10人ニキ」の試合は話題となりましたが、あのカードが生まれた背景は?

「マッチメイクのプロデュースは主に未来さんがやっていますが、『BreakingDown5.5』の開催自体、あの2人の試合ありきで組まれたところがあるんです。取っかかりがあのメインカードで、その後にコンセプトを作っていった感じですね」

――「10人ニキ」さんは、オーディションで2度敗れて本戦出場はしていないのにブレイクするという稀有な存在です。誰を対戦相手にするのかという点は難しかったのでは?

「そうですね。『最弱の男を決める』ということだったとは思うんですけど、賛否はありました。格闘技として見た人は『いったい、これはなんなんだ......』となったでしょうけど、バラエティーとして見ている人は『面白い』となったかもしれませんね」

――「BreakingDown」が格闘技なのかバラエティーなのか、という点はたびたび議論になっていますが、YUGOさんはどう捉えていますか?

「エンタメ性と競技性の2本の軸があって、『面白ければどんな形でもいい』と捉えています。DJ社長と10人ニキがやった最弱決定戦みたいなのもいいし、『BreakingDown5』に出場した飯田将成さん(元プロボクサー)や山本隆寛さん(ボクシング元東洋太平洋チャンピオン)など、プロでの試合経験がある者同士の戦いがあっていい。『BreakingDown』は器を大きくというか、幅広くいろんなものを包括していけるような団体であればいいかなと思っています」

――強さだけでなく、人間ドラマを見せていく感じでしょうか?

「僕がテーマに思っているのは『人間讃歌』です。例えば漫画でいうと、単純な強さを競うバトル漫画ではなく、『HUNTER×HUNTER』や『ONE PIECE』、まさに人間讃歌という言葉が出てくる『ジョジョの奇妙な冒険』のような。その3作品は、登場人物の能力や戦う場所など、ケースバイケースで戦況が変わることがある。必ずしも、勝った者が最強というわけではないですよね。工夫によっては、弱そうな人でもスターダムにのし上がれる。『BreakingDown』もそういう側面があるんじゃないかと」

――前回の「BreakingDown5」では、細川貴之(ボクシングの元世界ランキング3位)さんに、てるさん(安保瑠輝也チャンネルののメンバーで喧嘩自慢)が勝つケースもありました。

「まさにそれですね。1分間の勝負だからこそ、素人が元プロを倒すジャイアントキリングも起きるのが面白さのひとつだと思います」

――「BreakingDown5.5」では2対2という新たな試みもありました。今後、本大会で行なう可能性は?

「実現の可能性は高いと思いますよ。これからも『〇.5』のスピンオフ大会は継続的にやっていくつもりですが、そこでは伏線回収や、新しいことを試してみたい。オーディションで因縁が生まれたけど、本戦では実現しなかった試合を組んだり、DJ社長と10人ニキの試合のようにラウンド無制限でやってみたり。それを本戦にどうつなげるかを判断していこうと思います」

――毎回、ルールや演出で新たなものが導入されています。2021年7月のスタートから約1年で、ここまでバージョンアップすることができた理由は?

「大会が終わった後ではなく、大会が行なわれている最中でも気になったところを修正していくからこそのスピード感でしょうね。前回の『BreakingDown5』でも、第7試合まではダウンしたらすぐにレフェリーが止めて試合終了だったのが、『あまりにも早すぎる』ということで変えました。出場者の承諾も得てですけど、そういったことは他の大会ではできないはず。闘いながら強くなっていくサイヤ人のようにレベルアップしていく感じです(笑)」

――最終的な意思決定をするのは?

「僕ですね。スペシャルアドバイザーの未来さんは、ヒットする確率が高いアイディアをすごい瞬発力で出してくれるので、それをどうやって形にしたらいいだろうと僕らが考えてGOを出す。このサイクルを高速で繰り返しています。失敗したら失敗したで、『次に行こう!』と」

――まずはやってみる、ということですね。

「そうですね。もちろん失敗することもいっぱいありますけど、本当の失敗は『何もやらないこと』。これは僕の持論なんですけど、失敗を恐れている人は少し自意識過剰なんじゃないかと思うんです。人は他人にそこまで興味がないと思っているので、周りの目を気にして失敗することを恐れる必要もない。人の記憶はバンバン刷新されますし、僕のことも『誰が気にしてんだ』って話ですから。

『BreakingDown』も、開催場所という点だけでもさまざまな議論がありました。例えばタトゥーが入った選手の出場がダメとなると、大会の性質を考えると出場者の選択肢が狭くなってしまう。『これが正解』という答えは出ないでしょうが、今後もトライ&エラーを繰り返しながら進化させていきたいです」

――総合プロデュースという立場で、『BreakingDown』のブランディングをどのように考えていますか?

「最初は『アマチュア大会をやろう』という感じだったんですが、今ひとつキャッチーじゃなかったので、プロやアマチュアとカテゴライズせずに『BreakingDown』というものに包括させようとなりました。

もっと細かいものだと、一時期まで『BreakingDown第1回大会』というように第〇回大会という呼び方していたんですが、僕はそれが嫌だったんです。世界展開を見据えると、その表記は『日本だけの大会』というイメージになっちゃうので、前回から『BreakingDown5』と数字が変わるだけのシンプルな表記に統一しました。こうしたちょっとしたことから、関係者や見る側の意識も変えられると思っています」

――BreakingDown4でオーディションを導入してから、だと思いますが、その経緯は?

「先ほど話した人間讃歌の部分、人間のストーリーを見せなくてはいけない、という部分はずっと課題でした。そんな時に『朝倉未来に勝ったら1000万円』(ABEMA)のオーディションを見て、『ガチンコ・ファイトクラブ』(TBS系で放送された番組『ガチンコ!』の名物コーナー)を思い出したんですよ。令和版の『ガチンコ!』を作れたら面白いだろうと思って、話し合いながら形にしていきました」

(後編:「BreakingDown」に否定的な意見も「むしろ欲しいくらい」>>)