世界卓球団体戦グループリーグ第3戦 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が3日、中国・成都で行われ、女子グループリーグ第3戦に臨んだ世界ランク2位の日本は、同16位ハンガリーに3-0で開幕3連勝を飾った。早田ひな(日本生命)…

世界卓球団体戦グループリーグ第3戦

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が3日、中国・成都で行われ、女子グループリーグ第3戦に臨んだ世界ランク2位の日本は、同16位ハンガリーに3-0で開幕3連勝を飾った。早田ひな(日本生命)は今大会初出場で初勝利。温存策にファンから心配の声も上がっていたが、一蹴する活躍を見せた。シングルス世界ランクは日本人トップの5位。SNSで情報を遮断するなど、集中力を高めて初陣を迎えていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 日本人最上位ランカーがついにベールを脱いだ。伊藤美誠が勝利をした後の第2試合。早田はマダラースとの第1ゲーム(G)を5-11で先取された。しかし、雰囲気、照明、台の滑り具合をしっかり確認。「初対戦の相手なのでいろいろわからない。落としても仕方ないという入りだった」と想定内だった。

 エンジンをかけたのは第2G。出だしから5連続得点を奪い、勢いに乗った。持ち前の豪快な打ち合いで圧倒し、11-3と反撃。第3Gを11-5、第4Gも11-4で締め、笑顔でガッツポーズを決めた。第3試合の佐藤瞳も危なげなく勝利。開幕3戦とも3-0のストレート勝ちだ。

 前回2018年大会、主にリザーブだった早田は1試合のみの出場。今回の開幕2戦はベンチを温め、ようやく迎えた大舞台を噛み締めた。

「朝はすっごく緊張していて、緊張感の中で戦えたのは良かった。相手のエースとの対戦でしたが、2ゲーム目から自分をしっかり出すことができたと思います。相手の質だったり、どこでやりにくそうにしているのかを把握して、2ゲーム目からそこをしっかり攻めていった。自分が打てる時は真っ向勝負することができた」

 過去3大会は決勝で中国に敗れたが、51年ぶりの金メダルが期待されるメンバーの日本。早田はあえてSNSをシャットアウトし、初陣のコートに立った。ネット上に「たまに流れてくる」という自身の記事もほとんど見ずに全集中。勝つことだけを視界に入れた。

「日本では『まだ出ないのかな』と待っている方がいたのかなと思うんですけど、自分としてはそれがプレッシャーや焦りになってもいけない。SNSから離れて、自分で集中力を高めていきました。自分自身がマダラース選手とどういう試合をするのか。それを第一に考えて調整していました」

ファンから不安の声も…痛いところは「筋肉痛くらい」と笑顔

 9月は大忙しだった。第2回パリ五輪選考会を戦い、Tリーグ開幕戦でも勝利に貢献。カザフスタンに遠征し、試合が続いた。十分な調整期間につくるためベンチスタートとなったが、ファンからは「痩せた」と故障への心配や不安の声も。しかし、本人は「最近、食べても食べても消費しちゃって(笑)。心配しなくて大丈夫」と強調。初めから第3戦を見据えて調整していたという。

 痛いところは「筋肉痛くらい」と笑う。ホテルでは油の多い中華料理の中でも、「辛いものは好きなんですけど、食べちゃったら一発で終わっちゃうタイプなんで」と胃に負担の掛からない温野菜を中心にピックアップ。前日からは同行している母の手料理でうどん、おにぎりなど日本食中心の生活に切り替えた。

「あとは全農(全国農協食品株式会社)さんから干し芋とかを提供もしてもらっています。夜の試合で夕飯の時間がないので、時間も計算しながら食べていますね」

 3大会連続銀メダルから51年ぶりの金メダルを目指す今大会。4日は同52位ウズベキスタンと対戦する。「自分自身の卓球ができるように頑張ります」。同い年の伊藤と軸を形成する22歳。世界一への挑戦が幕を開けた。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)