世界卓球団体戦グループリーグ第2戦 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が2日、中国・成都で行われ、女子グループリーグ2戦目に臨んだ世界ランク2位の日本は、同19位のポーランドに3-0で勝ち、9月30日のスロバキア戦から2連…

世界卓球団体戦グループリーグ第2戦

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が2日、中国・成都で行われ、女子グループリーグ2戦目に臨んだ世界ランク2位の日本は、同19位のポーランドに3-0で勝ち、9月30日のスロバキア戦から2連勝を飾った。日本唯一のカットマン・佐藤瞳(ミキハウス)が第2試合で今大会初出場。巧みな技で相手を翻弄し、勝利に貢献した。大舞台でカットマンの魅力を伝えながら、51年ぶりの優勝に突き進む。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 カットマンが蝶のように舞った。K・ベングジンとの第2試合。佐藤は第1ゲーム(G)から粘り強く拾って相手のミスを誘い、ポイントを重ねた。ショートヘアをなびかせ、甘いボールをカウンターで逆襲。意表を突いた3球目攻撃を見せるなど、相手を幻惑した。11-9、11-6で連取すると、第3Gもドライブ攻撃を拾い続けた。11-9。ストレート勝ちだ。

 22歳の早田ひな、21歳の伊藤美誠、20歳の長崎美柚、18歳の木原美悠との日本代表。チーム最年長24歳の佐藤が主将を任された。この日のオーダーを聞かされたのは前日の朝だった。

「いきなり2点(2試合)起用とは思っていなかったのでちょっと意外だったけど、期待に応えられるように頑張ろうと思いました。初戦で前半苦戦したけど、みんなの良いアドバイスで乗り切ることできた。みんな明るくてベンチに帰った時に前向きなアドバイスをたくさんしてくれる。普段だったらそこでガチガチになってしまうと思うけど、ベンチのおかげで切り替えていけた」

 タイムアウト中には伊藤、早田の実績十分の後輩コンビから具体的なアドバイス。「とても心強いです。最年長のキャプテンだけど、皆さんが先輩のように頼もしいです」と感謝した。

「エンドレスリターン」と称される守備力の高さに自信を持つ。17年の国際大会では一度に10分13秒(766回)もラリーを繰り返し、国際卓球連盟から「卓球史上最も長いラリー」として紹介された。19年にはジャパンオープン、ITTFワールドツアーグランドファイナルでリオ五輪女王の丁寧(中国)に2連勝。世界ランク1位にも君臨した最強選手を倒した。

ネットで「初めて見た。無敵感ある」の声、佐藤「見てもらえて嬉しいです」

 この日は地上波中継された大舞台だけあって、試合中からネット上のファンが注目した。「この戦闘スタイル好きすぎる」「初めて見たけど、すごい。無敵感ある」「カットが美しすぎて」「守りからの攻めが凄かった」と卓球を知る人も知らない人も楽しんだようだ。

 試合後、佐藤は注目度アップに喜びを口にする。

「知名度で言ったらやっぱり伊藤選手、早田選手はみんなに知られている。けど、ちょっと卓球から離れた人に自分の存在は知られていないし、カットマンの認知度も卓球を知らない人にはなかったりしますよね。その人たちに自分のプレーを見てもらえて嬉しいです」

 左右に広く振られても、懸命に動きながら拾っていく。ロブを上げ、一気に逆襲する瞬間も魅力的。忍耐力には自信がある。豪快なスマッシュを打つ選手もいいが、佐藤のように相手を徐々に苦しめていくのも一つのエンターテインメントだ。

「一度下がってロビングを上げて、そこから盛り返して打つのは自分のパターンの一つ。卓球を知らない人が見たら一番わかりやすく『おー、スゲェ!』って思ってくれるプレーだと思います。そういうコートを広く使って動き回ってるところを見てほしいなと思いますね」

 世界卓球は19年個人戦に出場。橋本帆乃香とのダブルスで銅メダルを獲得した。今年3月の代表選考会で4強入りし、出場権を掴みとった。目標はもちろん5連覇を狙う中国を倒し、51年ぶりの世界一を掴みとること。「みんな強いので頼りがいのあるメンバー。自信はあります」。個性豊かなチームの中で、最強カットマンの職人技が光る。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)