東大は2日、神宮球場で行われた東京六大学秋季リーグの早大2回戦に1-6で敗れ、2連敗で勝ち点を奪われた。ただ今季初先発となった左腕の鈴木健(すずき・たける=3年)投手が、7回1失点の好投を見せた。これまでリーグ戦では3イニングを投げたのが…

 東大は2日、神宮球場で行われた東京六大学秋季リーグの早大2回戦に1-6で敗れ、2連敗で勝ち点を奪われた。ただ今季初先発となった左腕の鈴木健(すずき・たける=3年)投手が、7回1失点の好投を見せた。これまでリーグ戦では3イニングを投げたのが最長だったが、大きく更新。エース井澤駿介投手(4年)に次ぐ先発投手として、光が見えるピッチングだった。

 鈴木健は初回、先頭の熊田任洋内野手(3年)に対し、初球の直球を詰まらせ三邪飛とすると、1死一塁から中川卓也内野手(4年)も三振に仕留めた。ここで二盗を仕掛けた走者も、捕手との共同作業で刺し併殺で切り抜けると、その後も毎回安打を浴びながら得点を許さない。4回には1死一、二塁のピンチで、吉納翼外野手(2年)を一ゴロ。一塁が空いたため生沼弥真人内野手(3年)は敬遠で歩かせ、続く清水大成投手(3年)を142キロの直球で空振り三振に抑えた。

 5回1死一、二塁から中川に中前適時打を許し1点を失ったものの、6回と7回も無失点に抑え、先発の役目を十二分に果たした。「いつもより真っすぐの威力があって、両サイドに投げ分けることができた。真っすぐを軸に、変化球でゴロを打たせることもできたのが良かったかなと思います」と振り返った。

自己最長となる7回を投げ1失点と好投した【写真:上野明洸】

 仙台一高(宮城)から一浪して理科2類に合格。2年春からリーグ戦で経験を積んできた。「チームの勝ち点に貢献したいと思って臨んできた」と語る今秋は、初戦の明大1回戦で同点の7回に登板し、1回2/3を無失点に抑える好リリーフ。同2回戦、3回戦にも登板したが、いずれも失点していた。21日の慶大2回戦では3回を無失点に抑え、この日の先発でも好投。「リーグ戦でのコンディショニングの仕方をつかんできた」と手応えありのようだ。

「夏場のウエートトレーニングもありましたし、ひと月、ふた月前までは調子を崩していて、そこでインナーのトレーニングとかをしたことが良いように働いてくれたのかなと思います」

 井手峻監督も鈴木については「初めてのような球速も見たし、どんどん進歩しているんじゃないですか」と笑顔。今年の東大は、1戦目は井澤が先発し、2戦目は流動的。「もう1回、2回(先発を)やってもらいたいですね。若い時は飛躍的に伸びる時がある」と期待を寄せる。

 鈴木健は「先発をやりたいという気持ちはあるんですけど、緊迫した場面で投げさせていただいて勝利に貢献できるならリリーフもやりたい。自分としても是非、そこで抑えたい」と意気込む。5年ぶりの勝ち点へ、次の登板でも必死に腕を振る。

(Full-Count 上野明洸)