サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question ルックアップしたカルバハルは、次の場面でなにを選択して崩し…

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question 
ルックアップしたカルバハルは、次の場面でなにを選択して崩したか?

 UEFAネーションズリーグのリーグAグループ2第6節、ポルトガル対スペインが行なわれ、アウェーのスペインが1-0で勝利。グループ2位だったスペインが、逆転で決勝ラウンド進出となった。

 序盤からスペインはボールを握るものの、ポルトガルの守備を崩すことができず、低調な内容で時間が経過していく。一方、ポルトガルは鋭いカウンターからスペインのゴールを脅かしていった。

 そんな様相が変わったのが後半15分。スペインがペドリ、ガビ、ジェレミ・ピノ、28分にニコ・ウィリアムズと若手を次々と投入し、ようやくチャンスが生まれてくる。そしてゲームが動いたのが終了間際の43分、アルバロ・モラタの決勝点でスペインの勝利となった。

 今回は、決勝点となったモラタのゴールシーンを取り上げる。

 後半43分、左サイドからの展開でロドリにボールが渡り、右サイド後方からダニエル・カルバハルがオーバーラップ。



右サイドでボールを受け、相手をかわしたカルバハル。このあとスペインはどう崩したか

 ロドリがパスを送ると、カルバハルがワンタッチでラファエル・レオンをかわしてルックアップした。

 次の瞬間にカルバハルはなにを選択したのか、というのがQuestionである。

Answer 
ファーでフリーになったニコ・ウィリアムズにクロス。折り返しをモラタが押し込んだ

 このシーンでもっとも大きなプレーはカルバハルの高精度なクロスで、ファーサイドでフリーになったニコ・ウィリアムズが見えていたことも見事だった。その状況を作る段階で、前線での駆け引きに注目したい。



モラタが相手を釣り出した瞬間、カルバハルはファーサイドへクロス。折り返しをモラタが決めた

 ポルトガルは守備時に4-1-4-1で構え、1トップのクリスティアーノ・ロナウドを残してコンパクトな陣形を形成。4-3-3のスペインはサイドバック(SB)を高い位置に上げ、インサイドハーフも積極的に前線を追い越すことで、ポルトガルの守備を揺さぶっていった。

 そして得点シーンの後半43分。ポルトガルのブロックの外側でボールを回すスペインは、左サイドからセルヒオ・ブスケツ、ロドリを経由して、右のカルバハルへ展開した。

 カルバハルが、寄せてきたラファエル・レオンをワンタッチでかわしてルックアップ。この時、トップのアルバロ・モラタが中央から右斜めにダイアゴナルラン。これにポルトガルセンターバックのルベン・ディアスが釣り出され、中央にスペースが空いた。

 ここがポイントになった。中にスペースが空いたことで、ポルトガルは右SBのジョアン・カンセロがやや中へ絞ると、スペインは大外のニコ・ウィリアムズがフリーになった。それをカルバハルは見逃さなかった。

 ファーサイドへピンポイントの鋭いクロスが入ると、中に絞ったカンセロはまったく対応できなかった。ニコ・ウィリアムズはそのボールをヘディングで折り返し、最後は中央へ戻ってきたモラタが押し込んだ。

 モラタの一瞬の駆け引きでポルトガルの守備に隙が生まれ、新鋭のニコ・ウィリアムズも絡み、スペインが見事に決勝点を挙げた。

 決して調子がいいわけではない。それでもスペインの個のクオリティの高さは、ワールドカップで同組の日本にとって改めて脅威となる。