ともに早実高出身、ドラフト1位で競合の末に日本ハムに入団 日本ハムの清宮幸太郎内野手と、昨季限りで現役を引退したOBの斎…

ともに早実高出身、ドラフト1位で競合の末に日本ハムに入団

 日本ハムの清宮幸太郎内野手と、昨季限りで現役を引退したOBの斎藤佑樹さん。ともに早実高時代に世間を沸かせて大きな注目を浴び、高卒と大卒の違いはあれど、ドラフト1位で競合の末に日本ハムに入団した。プロでの歩みが決して順調とはいえないのもまた同じ。2人が数々の思い出を刻んだ札幌ドームで、清宮は先輩からのエールに応え、飛躍への決意を直筆でしたためていた。

 日本ハムの本拠地として19年間の役目を終えた札幌ドーム。最後の5連戦で開催されたのが、斎藤さん撮影の写真展だった。飾られていたのは、選手の素顔や本拠地の裏側などを収めた写真14点と、それぞれに対する斎藤さんからのメッセージ。監督室で真剣な表情を見せる新庄剛志監督や、何度も立ったマウンド、ブルペンからグラウンドに通じる通路……。その中にあったのが「頑張れ!」という題名がついた1枚だ。バットを手に、精悍な顔つきの清宮の姿がおさめられている。

「高校が同じこともあり、人一倍気になる後輩。かわいいヤツ。
次のスタジアムの主役になるんだぞ、頑張れ。
僕だけじゃなくて、札幌ドームも、君をそんなふうに応援しているんじゃないか」

 鳴り物入りで入団したがなかなか殻を破ることができずにいた後輩への言葉。斎藤さんもまた、大きな期待を受けながらも度重なる故障などで苦しんだ時期が長かった。スターの宿命を背負ったもの同士、2人だけの特別な関係がこの1枚に表れているようだ。

悔しい思い出ばかりだった本拠地で最後に満塁本塁打

 そんな愛溢れるエールを、清宮も感じ取ったのだろう。写真展に置かれていた「メッセージ・ノート」。見た人たちが感想を綴るためのこのノートには、ファンからの言葉と並んで、清宮からの“アンサー”があった。

「札幌ドームでゆうきさんと一緒に戦えたこと、誇りに思います。ここでの悔しさを新球場で絶対に晴らします! ありがとう札幌ドーム、ありがとう斎藤佑樹」

 美しく丁寧な文字で、最後には「清宮幸太郎」と記されている。写真展を見に来た清宮自ら、ペンをとったのだという。初めて規定打席に到達するなど成長したプロ5年目を経て、新球場元年となる来季に向けた思いが伝わってくる。

「悔しい思い出の方が圧倒的に多い」と吐露していた札幌ドームで、最終カードに自身初のグランドスラムを放った。最後の最後に「やっぱり、思い出は満塁ホームランです」と喜びの記憶を重ね、会心の笑顔でお世話になった本拠地に別れを告げた清宮。心許せる先輩に直筆で決意表明したように、新球場ではさらに多くのアーチを描いてくれるだろう。(町田利衣 / Rie Machida)