10月2日、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。5月の葵Sで重賞初制覇を飾っ…

 10月2日、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。



5月の葵Sで重賞初制覇を飾ったウインマーベル

 このレースは、JRAの秋のG1シリーズ第1弾。昨年の勝ち馬ピクシーナイトは不在だが、今年の高松宮記念を勝ったナランフレグ、昨年のNHKマイルCを勝ったシュネルマイスターというGⅠ馬2頭が出走予定。そのほか、ウインマーベル、ジャンダルム、テイエムスパーダ、ナムラクレア、メイケイエール、ヴェントヴォーチェなど、今年に芝1200mの重賞を制している馬が顔を揃えているため、白熱した争いが期待される。

 レースの傾向を見ると、父系ではミスタープロスペクター系の好成績が目立つ。2011年以降だけでも、2012、13年のロードカナロア(父キングカメハメハ)、2016、17年のレッドファルクス(父スウェプトオーヴァーボード)、2018年のファインニードル(父アドマイヤムーン)、2019年のタワーオブロンドン(父レイヴンズパス)で6勝。そのほか、2着5頭、3着3頭と合計14頭が馬券に絡んでいる。

 中でも成績がいいのがフォーティナイナー系で、勝ち馬では前述のレッドファルクス、ファインニードルが該当。さらに2011年2着のパドトロワ(父スウェプトオーヴァーボード)、2013年2着のハクサンムーン(父アドマイヤムーン)、2017年3着のワンスインナムーン(父アドマイヤムーン)、2018年3着のラインスピリット(父スウェプトオーヴァーボード)が馬券に絡んでいる。人気薄の馬が多いのも特徴で、9番人気だったパドトロワ、7番人気だったワンスインナムーン、13番人気だったラインスピリットは重賞未勝利で挑んで激走した。

 今年のレースで唯一、この父系の出走馬となるのがウインマーベル(牡3歳、美浦・深山雅史厩舎)だ。

 同馬の父アイルハヴアナザーは米GⅠケンタッキーダービー(ダート10F)、米GⅠプリークネスS(ダート9.5F)を勝った2012年の米2冠馬。母コスモマーベラスはターコイズS(芝1600m)の勝ち馬で、血統的イメージではマイル~中距離を得意としそうだが、ウインマーベルは1200~1400mで4勝している。

 その要因は、GⅠ朝日杯3歳S(芝1600m)などを勝った母の父フジキセキにありそうだ。同馬は種牡馬として、GⅠ皐月賞馬のイスラボニータなどマイル~中距離タイプを出しつつ、スプリンターズSの勝ち馬ストレイトガール、高松宮記念のキンシャサノキセキやファイングレインと、1200mのGⅠでも多くの活躍馬を送り出している。

 前述の2011年2着馬パドトロワとは、父系のフォーティナイナーだけでなく、母の父フジキセキも同じ。さらにGⅢキーンランドCからの臨戦過程や、福島・芝1200mでの勝利があったこと、中山競馬場での実績がなかったことなど、非常に共通点が多い。

 ウインマーベルの戦績を振り返ると、昨年6月にデビューしてから新潟・芝1200mでの初勝利まで6戦を要した。続く福島2歳S(福島・芝1200m)も勝利したものの、重賞初挑戦となった今年3月のGⅢファルコンS(中京・芝1400m)で15着と大敗。だが、同舞台で行なわれた次走の橘Sで勝利すると、続く5月のGⅢ葵S(中京・芝1200m)では1番人気に推され、2着馬に2馬身半差をつけて圧勝している。

 古馬との初対戦となった前走のGⅢキーンランドC(札幌・芝1200m)は好位からスムーズな競馬を進めていた。直線では内から来られて怯んだのか、外にもたれていたのかはわからないが0秒1差の2着という惜敗だった。成長著しい3歳馬だけに、今回の大一番に向けていい経験になっただろう。昨年の勝ち馬ピクシーナイトも3歳馬だっただけに、それに続きたいところだ。

 もう1頭、昨年のスプリンターズSで11着と敗れたジャンダルム(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)は見限れない存在だ。血統としては、母ビリーヴが2002年(新潟で実施)の同レースを勝っている。

 7歳と高齢の部類に入るものの、今回と同じ条件で行なわれた3月のGⅢオーシャンS(中山・芝1200m)では、その後に高松宮記念を勝つナランフレグを破って約4年4カ月ぶりの重賞制覇。前走のGⅢ北九州記念は17着と冴えなかったが、オーシャンSもGⅢシルクロードS13着と惨敗した直後の激走だったため、近走の着順は気にしなくていいタイプだ。

 前述のラインスピリット(当時7歳)も13番人気で3着。2015年にもサクラゴスペル(当時7歳)が11番人気で2着と、高齢馬が穴をあけることも少なくない。サクラゴスペルも同年のオーシャンS勝ち馬で、GⅠ安田記念17着からの参戦だっただけに、ジャンダルムも同じような好走ができるか。

 以上、今年のスプリンターズSは、ウインマーベル、ジャンダルムの2頭に期待する。