高橋光成、首位ソフトバンクを7回1失点斬りで今季12勝目■西武 4ー1 ソフトバンク(27日・ベルーナドーム) 西武の高…
高橋光成、首位ソフトバンクを7回1失点斬りで今季12勝目
■西武 4ー1 ソフトバンク(27日・ベルーナドーム)
西武の高橋光成投手は27日、本拠地ベルーナドームで行われたソフトバンク戦に先発し、7回1失点の快投で今季12勝目(8敗)を挙げた。これまでエースに対しては、滅多に手放しで褒めず高いハードルを課してきた辻発彦監督もついに「ここ数試合は内容云々よりも、絶対抑え込むんだという気持ちが出ている。本当にエースらしくなってきた」と絶賛した。
見事に要所を締めた。2-0とリードして迎えた4回。先頭の周東にバント安打を決められ、続く牧原大に対しては1球もストライクが入らないまま四球で歩かせた。無死一、二塁。ベンチから豊田清投手コーチがマウンドに駆け寄ったが、高橋の真骨頂はここからだ。柳田にはカウント1-2から、内角いっぱいの147キロ速球にバットを出させず、見送り三振に。続くデスパイネには、カウント1-2からワンバウンドになるスライダーを振らせて三振。中村も150キロの速球で投ゴロに打ち取り、クリーンアップを抑え切った。
7回107球を投げ、失点は7回先頭のデスパイネに許した13号ソロのみ。危なげない投球で、11試合連続クオリティスタート(QS=6回以上投げ自責点3以下)も達成した。既に3年ぶりのリーグ優勝の可能性は消滅し、リーグ3位のチームは4位の楽天とCS出場をかけて激しいつばぜり合いを演じている最中。相手が首位のソフトバンクとはいえ、絶対に負けられない一戦だったが、エースはお立ち台で「プレッシャーはなく、戦う準備ができていました」と言い切った。
辻監督も唸る「打者から見ると近く感じるし、脅威ですよ」
チームは残りわずか3試合で、10月2日に今季全日程を終了することから、高橋自身はこのままレギュラーシーズン終了となる可能性が高い。「12勝8敗」だけを見ると、昨季の11勝9敗と大差がないようだが、これは例年になく不振の打線から援護を得られなかったためで、投球内容は段違いである。昨季は27試合登板(26試合先発)で防御率3.78(リーグ13位)、QS率65.4%だったが、今季は26試合登板(全て先発)で防御率2.20(リーグ3位)、通算21度のQSで、QS率80.8%と抜群の安定感を誇った。
こうした数字以上に、辻監督が指摘する通り、勝負所でマウンドから発する気迫が凄まじい。指揮官は「150キロ以上の球速に加え、あのデカい体(190センチ、105キロ)で圧をかけるのだから、打者から見ると近く感じるし、脅威ですよ。腕が振れているので、ストレートもスライダーも切れがいいのでしょう」とうなずいた。
2年連続開幕投手を務めた今季は、選手会長にも就任。与えられた肩書に、成績と責任感が追いついた格好だ。チームが3位を確保しCS出場を果たせば、高橋もさらに1つ上の舞台で重要な役割を任されることになる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)