「世界卓球・日本代表連載」、開幕まであと3日―第3回は戸上隼輔 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ…

「世界卓球・日本代表連載」、開幕まであと3日―第3回は戸上隼輔

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ、日本は男子4人、女子5人が代表に名を連ねた。「THE ANSWER」では開幕4日前から当日まで連載を実施。日本代表全選手の想いを伝え、大会を盛り上げる。

 27日の第3回は戸上隼輔(明大)が登場。全日本選手権で初優勝した21歳は、4日の第2回パリ五輪代表選考会決勝で張本智和(IMG)に4-1の逆転勝ち。張本に次ぐエース格としての活躍に期待がかかる。2大会ぶりメダル獲得の鍵を握る男が活躍を誓った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、協力=テレビ東京)

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 次世代を牽引するのは自分だ。その決意の重さを知らしめる戦いになる。戸上は言った。

「2024年のパリオリンピックまでの過程で、今大会が自分にとって大きなターニングポイントだなと感じています。やっぱり日本のエースを目指して、パリオリンピックに出場してメダルを獲りたい。世界で勝てる選手なんだってみんなに思ってもらえるいい機会。必ずメダルを獲って、日本のエースになるためにアピールできたらと思っています」

 昨年はアジア選手権で男子ダブルス、混合ダブルスの2冠。初出場だった同11月の世界卓球個人戦は、シングルスで日本勢トップの3回戦に進出した。宇田幸矢と組んだダブルスは銅メダル。「今まで経験したことのない雰囲気。みんな本気で戦っていると痛感したし、僕の中では凄く楽しめた大会だった」と手応えを掴んだ。

 シングルスは中国選手に0-4で敗れ、「思うようなプレーをさせてもらえず、レベルの差を感じた」と反省。一方、ラリーで自分が下がった時でも得点を奪うなど、強打のフォアハンドが通用すると知ることができた。「前でもノータッチを取る機会が非常に多かったので、凄く自信になりました」と胸を張る。

「自信はもともとあったんですけど、大事な場面や大きなラリーになると、フォアハンドの失点が多かったです。最近はミスも減ってきて、大きなラリーに対しても得点できる機会が増えたので、今となっては自信のある技術だなと感じています」

団体戦は「怖い。けど、後ろを見れば仲間がいる」

 今大会は、対戦国とシングルス5試合(3勝先取で白星)で勝敗を争い、各対戦3人が出場。うち2人は2試合ずつ行う。日本は東京五輪男子団体銅メダルメンバーの丹羽孝希がインフルエンザで欠場。全日本王者として真価が問われる戸上は、軸として仕事を果たさなければならない。

 強気な姿勢が印象的な一方で、団体戦については「やっぱり怖いですね。楽しみな分、怖いところはある」と不安を隠さない。「だけど、後ろを見れば仲間がいる。すぐに流れが変わる下克上が多いイメージが強いです」。1月の全日本選手権で初優勝。9月4日の第2回パリ五輪代表選考会の決勝では、張本を4-1で倒した。勝負所での起用を歓迎している。

「今回は、自分が勝てばチームも勝てると思っているので、本当に自分次第。自分が2点起用(2試合起用)をしてもらえるようにアピールして、決勝まで負けずに次々とトップ選手相手に勝ちたいなと強く思っています。張本選手はみんなが期待している選手。そこに次ぐ選手は誰なんだってなった時、2番手は戸上隼輔なんだというところを見てもらいたい。勝ち上がれば中国選手と対戦できる機会もある。そこで(力を)試したいです」

 日本の新エース誕生なるか。2大会ぶりメダル獲得の立役者の座を狙っている。

 ◆世界卓球 9月30日からグループリーグが行われ、上位16の国と地域が10月5日からの決勝トーナメントに進出。テレビ東京系&BSテレ東で連日放送。中継キャッチフレーズは「新時代の、目撃者になる。」(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)