慶大・橋本達弥【写真:中戸川知世】  慶大は26日、神宮球場で行われた東京六大学野球秋季リーグ戦の立大2回戦に2-1で勝利し、このカードを1勝1分とした。プロ志望届も提出している橋本達弥投手(4年)は、2日連続で9回のマウンドを担い、相…

慶大・橋本達弥【写真:中戸川知世】

 慶大は26日、神宮球場で行われた東京六大学野球秋季リーグ戦の立大2回戦に2-1で勝利し、このカードを1勝1分とした。プロ志望届も提出している橋本達弥投手(4年)は、2日連続で9回のマウンドを担い、相手の反撃を許さなかった。

 25日の1回戦では、0-0の8回1死一、三塁のピンチで今季初登板。宮崎仁斗外野手(4年)、山田健太内野手(4年)の3、4番を打ち取ると、グラブを叩き大きな声で吠えた。「あそこで絶対にやってはいけないのが気持ちで負けること。そこを前面に出した結果、ああいう形になりました。ピンチで投げないといけないと常に思って準備している。もちろん(ピンチで)投げたくはないですけど、自分が投げないと勝てないと思っている」と責任感をにじませる。

 この日も2-0とリードした8回2死一、三塁の場面で登板。暴投で1点を許したものの、山田を中飛に打ち取ってリードを死守。9回も3人で打ち取って試合を締めた。

最速152キロの直球と、落差のあるフォークボールが武器【写真:中戸川知世】

 兵庫の公立・長田高から慶大に進み、3年時には抑えとして春秋のリーグ制覇にも貢献した。今夏は大学日本代表にも選出され、オランダ・ハーレムでの国際大会を経験。「自分よりすごいピッチャー、素材のいいピッチャーしかいなかったので、そういう選手の取り組みに触れることができて、もっと頑張らないといけないと思った。ちょっと自信をなくしそうにもなったりして、もっと練習して追いつかないといけないという原動力になっています」。

 リーグ戦では通算28試合に登板して防御率1.12。魅力は最速152キロの直球と、落差のあるフォークボールだ。8月1日のプロアマ交流試合では、同学年の藤原恭大外野手(ロッテ)や、ブライト健太外野手(中日)からフォークで空振り三振を奪った。「僕はフォークボールを警戒されるピッチャーですけど、やっぱりストレートが基本なので、真っすぐで抑えられるというのにフォーカスしてやっていました」。全体的にレベルアップを図り、ラストシーズンに臨んでいる。

 プロ志望届を提出し、1か月後の10月20日に迫ったドラフト会議も見据える。「プロに行きたいという気持ちはあります。役割的にもそこまで目立たないですけど、そこで投げることがチームにとって一番大事だと思うので、そういうところ評価していただければな、と思います」。

 昨年は大学選手権も制して“3冠”も、今春はリーグ戦で2位に終わった。「去年いい思いをさせてもらったので、最後そういう経験をして終えられたらなと思います」。陸の王者のリリーフエースは、有終の美を誓う。

(Full-Count 上野明洸)